夏、零番隊執務室。





テキパキと働く副隊長の壱葉。
黙々と書類整理を行う三席の戒。
一人ダラけている隊長であるなまえ。





『…ああ……暑い…』

「…だからどうしたんですか?」

『ぅ……いえ…別に……』





執務室でうなだれていたなまえは壱葉の冷めた言葉により、背筋を伸ばす。





『……最近の壱葉、ピリピリしてない?』

「………そっスね」





壱葉が奥に行った隙に戒にボソッと呟くなまえ。なまえは伸ばしていた背筋をまた曲げて頬杖をついた。





『…冬獅郎くんも機嫌良くないみたい』

「…………」





なまえの言葉に戒は視線を逸らす。





『はあ……夏って心もジメジメしちゃうのかな…』





そう呟くなまえの言葉は今日だけでもう何度目だろうか。戒は心の中で思いながら頬杖をつくなまえを見た。