スティンがエース達の元に来てから約2年が立った。
『気持ちいーいっ』
「見ろよスティン!こんなに魚がいるぜ!」
『本当だ!ね、ね!潜ろう!?』
「おう!」
キャッキャッとはしゃぐエースとスティン。少しいつもより遠出をして綺麗な海に遊びに来ていた。暑い夏の時期なので水につかるのはとても気持ちがいい。
「いいなァ……」
ぼやくのはルフィ。悪魔の実の能力のせいで海に入ることができないからだ。
「つまんねェよォ!」
「なんだよ、海に行こうって言い出したのはお前だろ」
「そうだけど…」
『確かに海に入れなかったらつまらないよね』
スティンの言葉にうんうん頷くルフィ。
『ねぇ、皆で遊べる遊びしよ?』
「何すんだ?」
『ビーチバレー!』
スティンがにっこり笑う。だが、ビーチバレー用のボールなんて持っていない3人。そこで、エースが海に向かっている途中に拾ったヤシの実をリュックから取り出した。
「こんなんでもいいか?」
『ちょっと痛そうだけどいいんじゃない?』
体の作りがいろいろと違う3人だからこそ言えること。
※普通の人はヤシの実でビーチバレーなどできません。良い子は真似しないように!
『いっくよー!!』
「おう!」
『それっ!』
3人で浜辺で遊べるので最初はルフィも楽しかったのだが……
「ルフィ、しっかり拾えよ」
「わかってるよ!!」
『あ、ルフィまた負け〜』
「う〜〜…」
「下手くそだなァ」
「つまんねェよこんなの!」
ヤシの実を放り投げ、ぶすっとふてくされてしまったルフィ。うまくビーチバレーが出来なかったため、ルフィ的には全く面白くなかったようだ。
『ルフィ…』
「放っとけよ」
『でも…』
「そのうち機嫌直るって」
機嫌を損ねたルフィによりエースも海の方に歩いていき、バラバラになる3人。スティンは海辺に走った。
ルフィが拗ね初めて1時間程経った頃、
「なんだよ、エースもスティンも俺のこと置いて遊びに行ってさ!」
相変わらずご機嫌ななめで足元に広がる砂をいじっていた。
『ルフィ〜!はい、プレゼント!』
後ろから突然スティンの声がしたと思ったら、ルフィの首に軽い重み。ルフィの首元には貝殻で作ったネックレスが乗せられる。
「これ……くれんのか!?」
『うん!!』
スティンが笑って頷くと、ルフィもニカッと笑った。
笑顔が似合う恋だった。
(そろそろ帰ろっか)(あれ…エースは?)(ルフィ、ほらよ)(あっ、なんだこのスゲェ美味そうな実!)
(見つけたからやる)(ありがとうエース!!)(…おう)(ふふ……)
やっぱりなんだかんだ優しいエースお兄ちゃん。
皆、笑顔だから幸せだと感じる。
幸せの中に恋がある。