廻る日常



「なァ、詩音ー」



銀時が社長椅子をくるくると回しながら、詩音を呼ぶ。
詩音は読んでいた本から顔を上げ、何?という表情をした。



「問題でーす、今日は何の日でしょう」



「え、今日何かあった?」



完全に本から意識を逸らして、考えこむ詩音。
銀時も読みかけのジャンプを置いて、詩音のいるソファに近づいた。



「えー、神楽ちゃんの誕生日はまだ先だし・・・わかんない」



「馬っ鹿お前、これ忘れるとかあれだよ?甘党失格だよ?」



「え?・・・あ、ハロウィン」



「そうそれ」



「ハロウィンは別に甘党の祭典じゃないし」



「いーんですうー、甘いもん食えれば」



「ハロウィンにお菓子もらえるの、子供だけだよ?」



「マジでか」



その重要な事実を知らなかったらしい、銀時はあからさまにショックを受けている。
(いやでも銀さん心は少年だしィー、とかいう呟きは無視にかぎる)



「残念だったね銀ちゃん」



詩音の言葉に銀時は暫く考えこんでいたが、急ににやにやといつもの笑みを浮かべて詩音をみつめた。



「な、何?」



「大人とか子供とか関係ねーよ、楽しけりゃ」



という訳でー、と銀時が身を乗り出してきた。
思わず後ずさりしようとすると、逞しい腕がのびてきて引き寄せられる。
銀時との距離、僅か数センチ。



「お菓子くれたら、いたずらしてやるよ」



「なにそれ」



冷蔵庫にプリンがあるよ、と言うと、マジでか、と嬉しそうに笑って銀時は詩音にキスをした。



「・・・お菓子は?」



「んー、いたずらの方が先」



頬や額、あらゆるところにキスをおとす銀時を、愛しいと思った。



つまりは、まあ、口実の問題


君がいれば毎日がパラダイス!





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