なし崩し的にめちゃくちゃにしてやって、そんでこれまで俺に甘えてたなまえちゃんを落とし込んで服従させてやりてえって、そんな征服欲が渦巻いていたはずの昨晩。
賢者だったはずなんだけどなあ、ため息を吐いたらソファの上、俺の下に組み敷かれた体がびくりと震えた。


「……なまえちゃん」

「……なによ」

「前戯は長い方がいい?」

「ば、なに言って…!」

「教えてくれよ、な?」


それでも言わせてやりたいと思うのはどういうこっちゃ。
なまえちゃんのして欲しいようにしてやるよ、というこれまでのスタンスとほぼ変わらないはずなのに、それを嬉々として行使するのは随分と大人げない。


「………!」

「……かーわいー」


はくはくと赤い顔して、酸欠の金魚のように唇を動かすなまえちゃん。
天の邪鬼で意地っ張りなこの子のことだ、素直に欲するのも恥ずかしいしかと言って俺に好きにさせるのも腑に落ちないんだろうか。


「………電気、消して」

「だめー」


明るい室内で俺の影におさまる柔らかな肢体。
なまえちゃんの上着に手をかけてできるだけゆっくりと脱がしながら笑ってやったら、その唇がアヒル口に変わった。


「じゃあ、せめてベッドに」

「むりー」

「なんでっ!」

「わかんねえ?……我慢できねえんだよ、おじさん」


閉口した唇を塞いで熱くぬるりと逃げる舌先を舐めて吸う。
薄目を開けたらなまえちゃんが、今にも溶けちまいそうな顔をしてるもんだからもう、今すぐにでも突っ込んじまいたい衝動に駆られる。


「っだー!もう」

「な、に」

「なまえちゃんさ、誘うの上手すぎんだよなあ」


正直おじさんにそれは甘美すぎるよと付け足して、手のひらでブラの上からそっと乳房を包み込んだ。


「…、は」

「あー、やーらけえ」


漏れる息と唾を飲み込む白い喉が倒錯的で、扇情的で、正直困るよ。


「…鏑木さんって、おっぱいフェチ?」

「……さあねえ」


ブラのホックを弾いて直接口内へお招き。色づいて膨らんで食べてくださいって俺を欲しがるもんだから仕方ない。
なまえちゃんの息もしっとりと激しくなって、声が高く掠れていく。


「も、っ」

「お、なまえちゃんおっぱいいじられんの好きなんだ?」

「バッカ、じゃ、ないの…!」


悪態もこうしてるとかわいーもんだ。
スカートを捲ってストッキングを引きずりおろし、下着越しにそこを上下に擦る。
揺れる腰があんまりにも目に毒で、とりあえず下着ごと指を押し込んでみた。


「…っあ……」

「なんだ、いい感じに濡れてんじゃん」

「っ…や、ぁ」


下着越しにねじ込む中指と、下着越しに陰核を撫でる親指。
引っ張りこまれる下着に潰されるだけの陰核は、なまえちゃんにはもどかしいだろうと配慮してのことだ。そういうことにしておこう。


「で、なまえちゃんはどっちがいいの?」

「んっ、あ………え、なに」

「前戯は長い方がいいの?」


指は動かしたままできるだけ優しく問う。
にちゃにちゃと下から聞こえる粘着質な音に、俺のちんちんはもう準備万端なんだよねえ。
もちろんそんなことは言わねえが。


「………ふ、つう」

「んー……普通ねえ」


下着越しに突っ込んだ指を抜き、下着の横から直接、今度は指を2本。一気に付け根まで押し込んだ。
悲鳴をあげて背中をそらしたその上で、胸が揺れる。


「う、あっん!」

「っあー…、早く挿れてえ」


指にからみつく柔く濡れた肉。指を動かす度に跳ねる素直な体。思わず漏れた本音に、なまえちゃんが俺の頭に手を伸ばした。


「っあ、ん…!かぶらぎ、さん、もっ」

「んー?」

「ぬいで…っ…ひゃん!」


激しく、浅く深く指を押し入れて引き出して、手のひらにそこがぶつかる度にパンと音が上がる。指どころじゃない、手のひらもびしゃびしゃんなって、なまえちゃんがまたあんまりにもかわいーこと言っちゃうから。


「………もーおじさん無理だわ」

「え、…あっ!」


指を軽く曲げたまま肉を抉るように中から引っ張り出した。
体がびくんと小さく跳ねて、途端に脱力する。


「あーあ、イッちまって」

「……かぶらぎ、さ」


ソファにシミを作って、明るい室内で、ぐしゃぐしゃんなった服をまとわりつけて、潤んだ眼差しで俺を見上げる。
見つめられたままネクタイをほどいてベストを脱ぎ捨て、シャツのボタンを全部外す。

露わになった俺の胸になまえちゃんが手のひらを当てて、それを合図に今度は軽いキスをした。



シリンダーホワイト





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