まさか年甲斐もなくこんなに溺れるとは思ってなかった。触れた指先を押し返すしっとりとした肌、俺の体に寄せられる小さな赤い唇。

触りたい。もっと長く、もっと深く、もっと近く。

尽きることない欲は彼女に注がれるばかりで、最近は一人淋しく処理する夜もない。有り難いことに。


「家光、さ、」


腕の中で息も絶え絶えにぐったりする彼女を見つめながら、それでも欲望は治まることを知らない。額に浮き出る汗を指先で拭ってやれば気持ち良さそうに目を閉じる。それを合図にするかのように彼女の唇に噛み付くようなキスをすれば、彼女は大して力の入らない手で俺の肩を叩いて抗議した。


「ん、ぅ あ」

「…足りねー」

「いえ みつさ」


さくら色の胸元に、いくつもアトをつけていく。その度に跳ねる体がかわいくて、彼女がかわいくて。

ギシリ、彼女の膝裏を抱え込む。繋がった部分が音を立てて更に深くなる。


「ぁ、」


息と混ざるようなか細い声に反らされて顕になった白い首筋。なんて、扇情的。


「、っ 」

「ぁああ! ふ、ん」


ギシ、ギシ、ギシ、
規則的な音がする。心臓の音も聞こえない。

いつだったか速いのよりゆっくりのが好きと言った彼女のために、なるべく優しく奥を目掛けて腰を進める。


「はぁ っんん!」

「奥、あたってんの わかるか?」

「やぁぁ…っ!だめ、ぐってしちゃ、」


奥に先端を押しつけるように腰を回す。彼女の腰が逃げないように固定して、いやいやをするように身を捩るその上半身でふるふると揺れる胸に唇を寄せた。


「きゃ、」


途端、更に締め付けられた下半身に一瞬視界が揺れる。


あぁ、もっと奥まで、もっと長く触れ合っていたいのに。


「…年って怖ぇな」


ぎゅう、と締め付ける温度に飛びそうになった意識をつなぎ止めて、ギリギリのとこで彼女の首筋に唇を寄せた。


「う、あ」


注ぎ込んだ白濁に、頭の隅でなまえ似の女の子がほしーな、なんてバカなことを思う。







混濁パレット




「…悪ぃ、中に出した」

「…ばか」

「…女の子がいーな」

「……ばか」




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