青空レモンティー
◇2万打番外編 [1/10]
前回までのあらすじ。
遅すぎるザッキーの伝言→土方さんが呼んでいるらしい→土方さんの自室にお邪魔する→土方さんだんまり←イマココ!
『きゅーか』
「………」
『きゅ、う、か』
「…………」
『きゅーうーかー!』
「……………っ」
『きゅー!うー!かああーー!!』
「うるっせェェェェェ!!」
殴られました。
『だって土方さんカラオケ大会から1ヶ月も経ってるんですよ!休暇はまだですか』
「……今からその事について話そうと思ってたんだ」
土方さんはため息をついた、たぶん呆れてるのでしょう。 なぁんだ、土方さんのことだからすっかり忘れてたのかと…うそうそ土方さんはそんないい加減なひとじゃないですよねだから凄むの止めてくれませんか…! 素早く土下座の姿勢をとっていると、襖の向こうで聞き慣れた声がした。 ま、さ、か…。
「入りやすぜ、土方さん」
「ああ」
予想的中。沖田さんでした。 なんでここに?
「総悟と保科」
『はいなっ』
「へい」
「今日から休暇だ」
えっいきなり過ぎない? てか今日併せて3日間だったらなんかずるくね?損した気分。 まぁいっか!休暇だやっほーい! と浮かれてるのも束の間、すぐに土方さんの低い声がかかった。
「ただし、条件付きだ」
2万打番外編
『里帰り?』
「総悟のな」
土方さんが言うには今日と明日で真選組の原点、武州の田舎に帰れとのこと。 まぁ私は違う世界から来たから見たことも聞いたこともないんだけど、沖田さんにとっては故郷なわけで。治安などの視察も兼ねてすこしの時間ゆっくりしてこいとのお達しだった。 視察も兼ねてるところが抜かりないと言うか…土方さんらしいと言うか…。
「切符はもう取ってある、失くすなよ保科」
『なんで私だけ!?』
「随分用意がいいじゃねーですかィ」
休暇が嬉しいのか、故郷が懐かしいのか沖田さんもこれには珍しく笑顔で目を輝かせていた。 っていうか沖田さんに休暇っていつもとあんまり変わらないような…と思ったところで睨まれそうになったので考えるのをすぐ止めた。 まぁ上京してきたんだもんね、こういう機会がないと故郷なんて帰れないからやっぱり嬉しいんだろうなぁ…。
『なんだか私も楽しみになってきました』
やっぱり喜んでる顔を見ると嬉しくなっちゃうよね!
「午後一番の列車だ、夕方には着くだろう」
『えっじゃあお泊まりなんですか?』
「総悟の家に泊まればいい、あと時間があったらの道場の掃除も頼みたい」
「土方さん休暇取らせる気ねーでしょう、面倒臭ェ」
「軽くでいい、それに掃除は保科の得意分野だろ」
『お二人とも私に押し付ける気満々ですよね?』
逆らえないから余計悔しい!
「さっさと荷物まとめてこい、乗り遅れたら休暇は無しだからな」
『はーい』
なんとも土方さんらしい…そう思いながら生返事で返す。 沖田さんも軽く返事をして失礼した。
まぁ、そんなわけで私と沖田さんは遠出をすることになったのだ。
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