青空レモンティー
◇馴れ初め [1/2]
「じゃあ、彗ちゃんの部屋はここね」
地味なひとに案内されて着いた場所は意外と広い和室。 あまり埃もかぶってなく、必要最低限の家具は揃ってる。
『意外に広いじゃないかジミー』
「いや山崎だからね」
細かいことは気にすんなってジミー、ハゲるぞ。 だいたいお前はいつもそう、だから地味のレッテルを貼られ「心の声が丸聞こえなんだけど!!ていうか地味関係なくね!?」
『よし、もう一歩だ。あとすこし大人になれ』
「初対面でこんなに失礼な子初めてだよ!ってかお前は俺の何を知ってるんだよ!」
『あ、ゴメン、喋んの飽きた。じゃあねジミー』
「……最後までマイペースだなオイ」
ジミーが踵を返したのを確認して縁側に面してる障子を閉めようとした。
「あ、そうそう言い忘れてた」
『んあー?なんですかジミー』
閉めた障子を開けてジミーが去った方に顔を出すとジミーが困ったような表情でこっちを見ていた。 なんじゃらホイですか。
「彗ちゃんの部屋の両隣、副長と沖田隊長だから」
ピシャッ
脳内で、明るい未来へのシャッターが閉まる音がしました。
馴れ初め
『マジでか…』
ポツンと部屋のど真ん中に立ち尽くした。
いやいやだってさ、有り得ない、無理。 土方さんと沖田さんの隣で安全に生活できる自信がない。
『…ま、しゃーない!』
決まったことなんだし、せっかく近藤さんが住まわせてくれたんだから、寧ろ楽しむべきだよね!
『さて、掃除でもしますか!』
こー見えて掃除は割とすきです。 すきっていうか、やるまでは面倒臭いけでやり出したら徹底的にやっちゃうタイプ。 アレ、いない?そんなタイプ。
『まずは雑巾がけですな』
確か江戸時代って掃除機なかったよーな…、いや銀魂だからあるかも。
どっちみち、用具が必要なので部屋の外に出ることにした。 スッと障子を開けて縁側に出ると、
「ん、彗じゃねーか」
風船ガムを膨らましてる沖田さんが。
ていうかいきなり名前呼びですか。 あ、ガム割れた。
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