14週目/探偵局ルートまでスキップ/BAD ED 12


14週目/探偵局ルートまでスキップ

>>まずは適性検査だな

この女の子は俺の下僕となりうる逸材か、確認しなければならない。

俺「まずは適正検査だな」

女の子に一枚の紙を渡す。

俺「その問を解いてみろ」
女の子「はい」

ある女性が飼っていた猫がある日居なくなってしまった。
その猫はどこへ行ったのか?
1、部屋の中に居た。
2、誘拐された。
3、元から猫などいなかった。

女の子「…………」

さぁ。どう答える?

女の子「答えは、これだけですか?」
俺「――!?」

この子は、できるぞ。
そう。俺達に必要なのは多角的な視点。そして疑うことだ。

俺「合格だ」
女の子「えっ?……あの?」

がしっ。と女の子の肩を掴む。

俺「今日から俺の下僕(じょしゅ)だ!」

下僕と書いて助手と読む。
俺には下僕が必要だったのだ。俺の頭脳に優るとも劣らない、下僕が。

俺「月ヶ丘探偵局へようこそ!」
女の子「はっ、はい?」
俺「お前のコードネームは……そうだな」

この女の子元は本棚だったはずだし、これしか無いな。

俺「タナ子だ!」
タナ子「はい……?」

よし。これは早速他のメンバーに連絡しなければならないな。

1 連絡するか
2 いや、明日にするか

>>連絡するか

いや、この月ヶ丘探偵局に新メンバーが加わるという喜ばしい事態を仲間に報告しなくてどうする。

俺「あ、もしもし柚葉?俺俺ー。いや、オレオレ詐欺じゃなくって俺だって」

とりあえず柚葉に今すぐ来てくれるように頼むと了承してくれた。

俺「次は、と。あ、鞠華さん?俺です。はい。今から来れますか?お願いします」

よし。鞠華さんも来れるみたいだしこんなもんで良いだろう。
優都は……いらないな。

タナ子「あの……」
俺「ああ、今から他のメンバー来るからもうちょっと待っててくれ」

ん?この気配はあのメンバーのものだな。

1 呼び鈴が鳴ってるな
2 この音は……外からかっ!?
3 天井かっ!
4 誰だ?

>>天井かっ!

天井から気配がする。

俺「天井かっ!」
?「さすがだね、俺」

ガパッ。仕掛け天井が開いて落ちてくる影が一つ。
トン。と優雅に落ち立ったのは柚葉だった。

俺「部屋は土禁な」
柚葉「ああ、ごめん」

愛用の刀をベットに置いてブーツを脱ぐと、柚葉は俺のベットに腰掛けた。

俺「こいつは柚葉な。俺の幼なじみ」
柚葉「どんな物好きが入ったのかと思えば、女の子じゃないか」
タナ子「よろしくお願いいたします」

タナ子はきちっ。と柚葉に頭を下げた。
これは柚葉の好感度大だな。

柚葉「…………」

おっ。やはり感心している。柚葉は感心したり考え事をすると手を口にあてるからな。

柚葉「名前は?」
タナ子「タナ子です」
柚葉「変わった名前だね。ま、よろしくね」
タナ子「はいっ!」

うむ。柚葉の掴みはばっちりだな。やはりこの女の子は侮れない。
ますます俺の下僕に相応しい。

俺「ん?この気配は……!」

1 呼び鈴が鳴ってるな
2 この音は……外からかっ!?

>>呼び鈴が鳴っているな

一、二回呼び鈴を鳴らすのではなく連打しているこの感じ。嫌な予感しかしない。ぞわり、と。背筋に寒気が走る。

タナ子「行かないのですか?」
俺「いや、行くよ」

このままだとまた馬鹿兄貴が近所迷惑なってしまう。連絡していないのに気付きやがって。
玄関に向かうと、タナ子も遠慮がちに付いてきた。ガチャ。と玄関を開ける。

俺「うるさいぞ馬鹿兄、き」
優都「俺きゅん、たっだいまぁー!」

がばちょ。ぎゅうぎゅうと優都が抱き付いてくる。止めろ気持ち悪い。

俺「鍵持ってるだろ?自分で開けろよな!」
優都「えーっ?だぁって俺きゅんにお出迎えされたかったんだもん。あっ」

優都の動きが止まる。不思議に思って優都の視線の先を追うと、俺達を見上げるタナ子が居た。

優都「占いでわかってはいたけど、この子でしょ?やだ、かーわーいーいー!」
タナ子「あの、タナ子です。よろしくおねがいします」
優都「ユウの事は、ユウおねーちゃん、って呼んでくれると嬉しいなぁ」
タナ子「ユウ、おねーちゃん?」

部屋に向かう間も部屋に着いてからも優都ははしゃいでいた。喧しい、が。この様子を見て引く訳でもなく、寧ろ優都の好みを見抜き上手く処理するこのタナ子の処理能力の高さ。
ますます俺の下僕に相応しい。

俺「この音は……外からかっ!?」

外から空気が裂かれるような激しい音がしている。

1 覗く
2 覗かない

>>覗かない

最後の一人は鞠華さんだ。いつもヘリコプターで来る事が多いから、きっとこの音は鞠華さんのヘリコプターだろう。いつもなら覗いたりもしてみるのだが、今日は嫌な予感がする。

俺「音大きくないか?」

空気を裂くような音が、一段と大きい。いつもと違う。

タナ子「わたしが、見てきます」

タナ子が窓際に向かう。止めろ、と言う俺の声は窓が割れる激しい音に掻き消された。

俺「うぉっ」

鉄の固まりが俺の眼全に横たわっている。一瞬にして俺の部屋は惨状と化していた。そんな荒れ果てた地に、ふわり。と鉄の固まりから降り立ったのは鞠華さんだった。片手には相棒の小型PCを抱えている。

鞠華「申し訳ありませんわ」

鞠華さんは何に対して謝っているのだろう。遅くなった事にたいしてか、ヘリコプターを部屋に突っ込んでめちゃくちゃにした事か。

鞠華「わたくし、お借りしてました本を持ってくるのを忘れてしまいましたの」

それかよ。今謝るとしたらさっきの件とかじゃないのかよ。

タナ子「あの、お足元にお気を付け下さい」

すっ。タナ子がスリッパを差し出した。

鞠華「まぁ……ありがとうございます」

鞠華さんが微笑む。世界がキラキラと輝いているようだ。
まぁ、実際に砕け散った窓ガラスが反射してキラキラしてるんだけど。
鞠華さんはスリッパを履きながらお付きの人に何か指示を出している。

俺(……鞠華さんも大丈夫そうだな)

タナ子と鞠華さんが自己紹介している様子を見たが、悪い反応ではなかった。
それにしても、タナ子は何の迷いもせずにスリッパを出しだが、あれは鞠華さん専用のスリッパだ。
この一瞬で俺の部屋に不自然なスリッパがある事を発見し、なおかつ鞠華さんのものだと見破るこの洞察力。
ますます俺の下僕に相応しい。

俺「さて、と。全員揃ったな?」

タナ子の推理力、愛嬌、処理能力、洞察力。
そして全員に合わせる対処力。
俺の下僕として相応しい。相応しすぎる。久しぶりに興奮してきた。

俺「みんな!こいつは今日から月ヶ丘探偵局の新メンバー」

1 本棚だ!
2 下僕だ!
3 タナ子だ!

>>下僕だ!

ざわっ。辺りが騒めく。

柚葉「この子が一体何をしたっていうのさ?」

確かにタナ子はまだ表立って事件を解決した訳ではない。強いて言うならば俺の直感だ。

鞠華「何か凄い力があると言う事ですの?」

超能力とかは……無いだろうな。ただ、本棚からできあがった女の子ではあるが。

優都「なぁにぃー?俺きゅんの好みの問題なわけぇ?」

いや、まぁ、確かに考え方は俺好みだったが。って、違う。俺はロリコンじゃないぞ。

俺「なんだよ、みんな不満なのか?」
優都「不満って言うかぁ、納得いかないよねぇー」

ぷぅ。と頬を膨らませて不貞腐れる優都。柚葉と鞠華さんも見てみると、優都程ではないが不満そうだった。
一体何がそんなに不満なんだ。
柚葉も鞠華さんも優都も、俺にとって最高の理想である下僕とまではいかなかったが、各々の能力は素晴らしいものだと思っている。現に、皆の能力と俺の能力。そしてチームワークで今まで数々の依頼を解決してきた。

柚葉「どうしてあたし達が俺の助手になれなくてその子はなれるのかわからないよ」
鞠華「同感ですわね。わたくし達は納得いきませんわ」
優都「あのね、俺きゅんが思っている程助手の座は軽くないんだよ?」
俺「あ、はい。スミマセン」

って、何謝ってるんだよ俺。
一体何なんだ。今まで皆不満とか言った事無かったのに。寧ろ喜んでくれると思っていたのに。

タナ子「あのっ」

俺に向けられていた六つの瞳がタナ子に向けられる。正直安心した。次に言うタナ子の言葉を聞くまでは。

タナ子「わたしも、少しはお役に立てると思います。だから、勝負しませんか?みなさんの得意分野で」

勝負?冗談じゃない。タナ子は皆がどういう能力を持っているか知らないからそんな事言えるんだ。しかも得意分野だなんて。

俺「お前、何言ってるんだよ!?」

しかし勝負と言ったら皆が乗らない訳もなく、あっさりと決まってしまった。

柚葉「あたし達の得意分野の依頼で勝負。負けたら助手の座は白紙で良いよね?」

鞠華さんも優都も同感のようだ。

柚葉「あたしは最後に勝負するから、俺。誰が最初に勝負するか決めて」

なんか変な事になってきたが、まぁ、たまには良いか。タナ子の能力を見られるチャンスでもあるしな。

俺「それじゃあ……」

1 鞠華さん
2 優都


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