4週目/タナ子下僕ルートまでスキップ/BAD ED 11


>>4週目/タナ子下僕ルートまでスキップ

お前が俺の下僕となる家だよ。
そう言うと女の子は子首を傾げた後、こくりと頷いた。

女の子「何をいたしましょう?」

1 俺の部屋を片付けろ
2 ベットに座れ
3 まずは適性検査だな

>>まずは適性検査だな

この女の子は俺の下僕となりうる逸材か、確認しなければならない。

俺「まずは適正検査だな」

女の子に一枚の紙を渡す。

俺「その問を解いてみろ」
女の子「はい」

ある女性が飼っていた猫がある日居なくなってしまった。
その猫はどこへ行ったのか?
1、部屋の中に居た。
2、誘拐された。
3、元から猫などいなかった。

女の子「…………」

さぁ。どう答える?

女の子「答えは、これだけですか?」
俺「――!?」

この子は、できるぞ。
そう。俺達に必要なのは多角的な視点。そして疑うことだ。

俺「合格だ」
女の子「えっ?……あの?」

がしっ。と女の子の肩を掴む。

俺「今日から俺の下僕(じょしゅ)だ!」

下僕と書いて助手と読む。
俺には下僕が必要だったのだ。俺の頭脳に優るとも劣らない、下僕が。

俺「月ヶ丘探偵局へようこそ!」
女の子「はっ、はい?」
俺「お前のコードネームは……そうだな」

この女の子元は本棚だったはずだし、これしか無いな。

俺「タナ子だ!」
タナ子「はい……?」

よし。これは早速他のメンバーに連絡しなければならないな。

1 連絡するか
2 いや、明日にするか

>>連絡するか

いや、この月ヶ丘探偵局に新メンバーが加わるという喜ばしい事態を仲間に報告しなくてどうする。

俺「あ、もしもし柚葉?俺俺ー。いや、オレオレ詐欺じゃなくって俺だって」

とりあえず柚葉に今すぐ来てくれるように頼むと了承してくれた。

俺「次は、と。あ、鞠華さん?俺です。はい。今から来れますか?お願いします」

よし。鞠華さんも来れるみたいだしこんなもんで良いだろう。
優都は……いらないな。

タナ子「あの……」
俺「ああ、今から他のメンバー来るからもうちょっと待っててくれ」

ん?この気配はあのメンバーのものだな。

1 呼び鈴が鳴ってるな
2 この音は……外からかっ!?
3 天井かっ!
4 誰だ?

>>天井かっ!

天井から気配がする。

俺「天井かっ!」
?「さすがだね、俺」

ガパッ。仕掛け天井が開いて落ちてくる影が一つ。
トン。と優雅に落ち立ったのは柚葉だった。

俺「部屋は土禁な」
柚葉「ああ、ごめん」

愛用の刀をベットに置いてブーツを脱ぐと、柚葉は俺のベットに腰掛けた。

俺「こいつは柚葉な。俺の幼なじみ」
柚葉「どんな物好きが入ったのかと思えば、女の子じゃないか」
タナ子「よろしくお願いいたします」

タナ子はきちっ。と柚葉に頭を下げた。
これは柚葉の好感度大だな。

柚葉「…………」

おっ。やはり感心している。柚葉は感心したり考え事をすると手を口にあてるからな。

柚葉「名前は?」
タナ子「タナ子です」
柚葉「変わった名前だね。ま、よろしくね」
タナ子「はいっ!」

うむ。柚葉の掴みはばっちりだな。やはりこの女の子は侮れない。
ますます俺の下僕に相応しい。

俺「ん?この気配は……!」

1 呼び鈴が鳴ってるな
2 この音は……外からかっ!?

>>この音は……外からかっ!?

バラバラバラバラ。
空気が裂かれる音がする。

俺「この音は……外からかっ!?」

ゴウッ。外は強風だった。葉っぱが舞う。

?「遅くなってしまいましたわね」

ふわり。俺の部屋へと通じるベランダに降り立ったのは微笑を浮かべる鞠華さんだった。片手には相棒の小型ノートPCを抱えている。
鞠華さんが微笑うと葉っぱではなく、花が舞っているようだ。
まぁ、実際にお付きの人が花を撒いてるんだけど。
鞠華さんがヘリコプターの操縦者に手を振ると、ロープ式の梯子を回収した後、置き土産にもう一回花を撒いて行った。
あれ、掃除大変なんだよな。

鞠華「よいしょ……」
俺「あ、鞠華さん土禁でお願いします」
鞠華「どきん……ああ、土足禁止。ですわね?」

すっ。タナ子がスリッパを差し出した。
あれは鞠華さん専用のスリッパだ。そんな事をタナ子は知らないはず。

鞠華「まぁ……ありがとうございます」
タナ子「いえ……」

タナ子が照れたように笑う。

鞠華「くすっ。可愛らしい子ですわね。もしかしてこの子が?」
俺「はい」
タナ子「タナ子、と申します。よろしくお願いいたします」
鞠華「鞠華、と申します。よろしくお願いしますわね、タナ子さん」

この一瞬で俺の部屋に不自然なスリッパがある事を発見し、なおかつ鞠華さんのものだと見破るこの洞察力。
ますます俺の下僕に相応しい。

俺「っ!この気配は……!」

玄関の呼び鈴が鳴り続けている。

1 行く
2 行かない

>>行かない

行かない。俺は行かないぞ。
この流れで行くと絶対に優都な気がする。連絡してないのに。

タナ子「わたしが、見てきます」
俺「あっ!止めろタナ子!」

言うが早いか止めるが早いか。
僅かの差でタナ子は扉の先へと消えていった。

俺「……寒気がする」

ドタドタドタドタ。
勢い良く階段を駆け上がる音。扉が開かれるのも時間の問題か。

?「俺きゅんひっどぉーい!」

バァン!扉が開かれる。
俺の絶望への扉も開かれる。

俺「優都……」
優都「月ヶ丘探偵局のメンバー召集でぇ、ユウだけ誘わないなんて酷くなぁい?」

背後から俺にのしかかってくる優都がうざったいことこの上ない。

優都「ユウが占いでわからなかったらどうするつもりだったのぉ?」
俺「どうもしねーよ」

背中に柔らかい感触が二つある。が、どうせあんパンか何かだろう。一瞬ドキッとした自分が情けない。

優都「ああそうそう。たぁちゃん、玄関開けてくれてありがとねっ。はい、ユウからのお礼っ」

そう言って胸元をゴソゴソ漁ると、優都はうぐいすパンを取り出した。

俺「ちっ。うぐいすパンだったか」

あんパンだったら貰ってやったのに。

タナ子「ユウおねーちゃん、ありがとうございます」
優都「どういたしましてぇー」

どうやらタナ子は玄関に迎えに行った時に挨拶を済ませたらしい。ちゃっかり優都が呼び方まで教えている。
しかしこの物事に対する処理能力の早さ。
ますます俺の下僕に相応しい。

俺「さて、と。全員揃ったな?」

タナ子の推理力、愛嬌、洞察力、処理能力。
そして全員に合わせる対処力。
俺の下僕として相応しい。相応しすぎる。久しぶりに興奮してきた。

俺「みんな!こいつは今日から月ヶ丘探偵局の新メンバー」

1 本棚だ!
2 下僕だ!
3 タナ子だ!

>>タナ子だ!

しーん。
ししーん。
しししーん。

俺「えっ」

部屋が沈黙で埋めつくされる。どういう事だ?

柚葉「いや、知ってるし」

沈黙を切り裂いたのは柚葉だ。

鞠華「先程ご挨拶致しましたわよね?」

鞠華さんが追撃する。

優都「何を今更って感じぃ?」

とどめを優都に刺された。
こういうお決まりの紹介は鉄板じゃないのかよ。

タナ子「あの……あらためまして、タナ子です。よろしくおねがいします」

さすがタナ子!さすがおれの下僕! わかっているではないか。

タナ子「俺さんの下僕になりました」

ガタタタンッ!
一斉に皆が崩れ落ちる。コントかよ。

柚葉「えっ!?じょしゅっ?俺が認めたのっ?」
鞠華「あら。すごいですわね」
優都「みーんな俺きゅんの助手にはなれなかったのにぃ」

まじまじと皆がタナ子を見る。
唯一下僕に近かったのは柚葉だったが、それでも俺の下僕になるには何かが足りなかったんだよな。

柚葉「ふーん……この子がね」
俺「なんだよ柚葉?」
柚葉「別にー」

ポフン。タナ子を見るのが飽きたのか、柚葉は俺のベットに身を投げだした。

俺「とりあえずそう言うことだから、よろしくな」

その日は一先ず顔合わせと言うことでお開きになった。
カーチャンにも探偵局の一員としてタナ子が加わったことを言うと、快く歓迎してくれた。これでなんの杞憂も無いな。

1 資料の整理でもするか
2 メールするか
3 ネットサーフィンするか
4 隣がうるさいな


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