01
一回目教会の鐘が鳴り響く。その後、二回目が鳴ったと同時にドアが荒々しい音を立て壊れた。
「オメェ、また遅刻すっぞ」
この朝早いのに近所の迷惑も考えないで一人の少年がが入ってきた。とても怪訝な顔をすぐそこに眠る少女を見た。ドアが壊れるほどの音を出したのに、まだ起きてないとは。少年は呆れ、溜め息を吐いた。そして、少年はそこにいる無防備な少女の口と鼻をいっぺんに押さえた。思いっきり。
「…ぶはぁ」
少年の強硬手段に少女は起きた。
「何すんのよ!! というか殺す気なの? せっかく『オペラの神童』を見ている夢を見ていたのにあたしのお金を返せ馬鹿ッ!!」
「そんなの知るか」
少年は呆れたように呟く。そんな見ている夢の事なんか知るか。
「あぁ。またドア壊しちゃって。大家にまた怒られる…」
少年はボロボロに壊れたドアを見ながら涙目で溜め息を吐いた。
アクテュアリテ国。ここはそういう名前の場所だ。その場所の古びた建物が並ぶ中のこじんまりとしたアパートにそれぞれルフレという少年とシナという少女が住んでいた。
この二人は従兄妹同士だった。両方の親がとても良かったので隣同士に住んでいのだ。今は両方の親とも仕事の為あまり帰ってこないので、生活の大半をこの二人で過ごしていた。
そう従兄妹というよりも兄弟近かったのだった。
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