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「もしかして、魅惑の果実の事ですか?」
「ペルルさん、知っとるんか?」
「少しですが。でも……」

ペルルが知るこの果実はあくまでも、伝説上の物だと言う。人間を夢中させる果実として描かれている物だ。

「本来はそうやったんやけれどなぁ」
「それを現実の物にしてしまったんです。しかも、改悪されて。そして、今の現状になったんや」

数年前の事、コルボ国の王女が変わってからの話だ。国の法で、ある果実の栽培、売買、食餌の強制を促した。それがのちの魅惑の果実シャンヴル。しかし、この果実が問題だった。人間を夢中させる効能と言うのは、強力な依存性。その実を一口食べるだけで、この果実が欲しくて欲しくて溜まらなくなる。副作用で体に様々な害が出るとしても。それが先程の惨状の原因だ。

「うちらアラシッド家が農業の中心だったから、特に圧力があったんや。おまけにフジまで被害に遭わせてしもて……」
「何言ってるんや、あんな物を存在させて許される訳あらへんです!!」

だから、早急に反乱軍を作り、国に王女に反抗しようとた訳か。コルボ国がこんな果実を広めた目的はきっと民に反抗をさせない為だろう。果実を手に入れられるなら、民はどんな事も聞いてしまう。それだけ、怖い依存性がこの果実にはあるのだ。これはコルボ国だけの問題ではない。これが世界中に伝われば、終わりだ。勿論、我達が祖国、カメレオ国も。

「だから、カメレオ国の王女さん達に出会えて良かったわ。これで直接コルボ国王女に直接言う事が出来る」

今までで直談判が叶わへんかったからとフランボワーズは静かに激昂していた。





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