08

「……大胆な事を為さりますね」
「強硬手段、という奴です」

扉を壊すと周りには砂埃が立ち込める。余りの多さに噎せ返ってしまいそうだ。

「リュビ様、戴冠式のお時間です」

その状態の中、俺とペルルはリュビを呼んだ。しかし、声を帰って来ない。可笑しい。俺は嫌な予感がして、部屋を探したが、どんなに探してもリュビの姿が認識出来ない。

「どういう事ですか!!」

四六時中見張っていたはずのリュビが消えた。恐らく逃げ出しだのであろうが、どうやって。

「あ、あの、私」

ふと、ペルルの方を見ると彼女は青ざめていた。きっと、責任は全部彼女にのしかかる。それに怯えているのだ。大丈夫。貴女のせいじゃない。僕はデェアに報告する事にした。

「皆を集め、リュビ様を捜索して下さい」
「は、はい。分かりました」

そうしてデェアの元へ俺は走った。冷静に振る舞っていたが、内心凄く焦っていた。これはデェアの立場も危うくなるだろう。俺はそれだけは避けたかったのだ。それにリュビ自身の事も心配だ。

「畜生。何処に行ってしまったんだ」

俺は唇を噛み、そう零した。





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