25 反省
「リッチまで…」
どうして自分の場所が分かったのか。私が尋ねるとリッチは笑みを浮かべた。
「不本意だが、ロノウェが教えてくれたんだよ。お前の居場所を」
「ロノウェが?」
そう続けた後、リッチは顔を曇らせた。
「本当にお前にはすまなかったと思っている。お前にあたしの我侭を押し付けて」
ふと見ると、リッチの手は震えていた。全部は分からないけれど、私に話そうとしている事がリッチにっとって辛い事だという事だけは分かった。眼の腫れぼったさがそれを表していた。
「リッチ。あのさ、別に今話さなくても良い」
リッチは驚いた顔をした。
「まだ早いんでしょう? それに、そんな顔してるリッチを見ていると、無理やり言わせてるようで嫌だし。それにトールにも悪い事したような気がして」
そう言ってトールの方を見た。何かクサイ台詞を言っているようで恥ずかしくなる。
「そんな事ないです…」
全部自分が悪い。いつか絶対に話すから。そう言ってからトールは突如、言葉を止めた。それを見かねてか、リッチは声をだした。戻ってきてはくれないか。その言葉に笑顔で答えた。
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