17 趣味
「可愛い…」
店はステンドグラスの窓、薄桃色の壁、茶色の屋根、それらが鳥のモチーフでアンティーク調に装飾されていて可愛くて綺麗だった。こんな店が自分の家だったら良いなと思う。
「気に入ったか?」 「はい、とっても。これはレラが作ったんだよね? 良い趣味してるよ」 「サンキューな。分かってくれるのテティちゃんくらいだ!!」
レラジェは上機嫌になって鼻歌を歌いだした。一番気に入っているのはやっぱり、当の本人だった。目の輝き方が違う。
――ガチャ。
レラジェとそんな楽しい話をしていると店のドアが開いた。そして、中から人が出てきた。お客さんだろうか。
「お客さんじゃないの? 早く行ってあげなよ」 「いや、あいつは客じゃない」
レラジェはその人を見て溜め息を吐く。
「アレ―? 帰ってきてたんだ―。何で言ってくれないんだよ、師匠―。店忙しいのに―」
その人は首を傾げレラジェに言う。子供の様に拗ね、睨みながら。師匠って、私は信じられないといった表情を浮かべ、レラジェを見る。レラジェは目を泳がした。というか泳がされた。
「今、帰ってきたんだ。別に言わないつもりじゃなかった。そのくらい分かるだろ?」
レラジェも私もその人も直視出来ず、目を泳がし続けていた。少し異様な光景をしていた様な気がする。
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