短編 | ナノ


▼ 絵描きと参謀

今日一日、女子からのプレゼント攻撃ではっきり言うと俺はヘトヘトの状態で帰宅した。
「ただいま」

「あら、蓮二おかえりなさい。貴方宛にプレゼントが届いてたから机の上に置いておいたわよ」

母さんからプレゼント、という単語を聞いてさらにうんざりしたのは言うまでもないだろう。
まったく、勝手に人の住所を突き止めて贈り物だなんてもはやストーカーではないかと内心憤慨しつつ自室に向かう。

置かれていたのは紫色の包装紙に包まれた小包だった。
はて、なにかひっかかりを感じるが…

そうだ。今日の部活後の精市の発言だ。

「蓮二、きっと今日は紫色のいいことがあるはずだよ」

あの時いいこととは何か尋ねたもののはぐらかされてしまったが、成る程。
十中八九精市関連であるようだ。

かさかさと包を開けると手紙とこれはメッセージカードか?それに手のひらサイズの箱が入っていた。
手紙の方は立海レギュラーからの祝いの言葉のようだ。部活後に直に言われたもののこれは嬉しい。
となるとメッセージカードは誰からだろうか。

“柳くんへ お誕生日おめでとう…とはいっても互いに面識はないのだけれどね。いつも精市くんがお世話になっているそうで、メールでも君のことはよく聞くんだ。聞くところ君の名前は柳蓮二というらしいね。そんな君にぴったりの品があったから誕生祝いとして君に贈ろうと思う 精市くんの友人******より”
どうやらメッセージカードの主は精市の友人らしい。…新たにデータに加えておくか。

箱を開けてみるとミニ線香と香立のセットだった。よく見ると香立はいぶし銀で作られているようだ。贈り主はなかなか趣味がいい。線香の方は青柳の香りと書いてあった。
成程な。

そっと笑って俺は精市にメールを送るべく携帯を開いた。



お誕生日おめでとう!

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主さんが参謀に送ったものは実在するものです。
香立→いぶし銀製の蓮の香立
線香→青柳の香り

しかし、参謀にストーカー呼ばわりされるのは書いてて笑えました。



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