リオン




柄にも無く一目惚れした。
女の新入りで中々筋のいい奴が入ったと小耳に挟んで少し興味にそそられ城の訓練場に赴けばすぐに噂の女を見つける事が出来た。それが彼女―ルナを初めて見た瞬間であり同時にそのひたむきな姿に心を射止められた。
ルナはそこらの下等兵や一般兵よりも優れていた。(と言うかあの雑魚共はよく騎士になれたな…)

頃合いを見計らって客員剣士の立場を利用して彼女に近づいた。自分で言うのもなんだが出世のチャンスがあると言うのにルナは媚を売るという事も皆無でますます気に入った。騎士になった理由も国民を守るとかそんな真面目さもなく単に給金が良く且つ自分に合ってそうという合理的なもので僕の中で印象は良くなるばかり。
歳は僕より2個程上らしいが顔立ちに幼さが残ってる。身体も小柄で一見すればひ弱な少女。性格は案外男勝りな面が目立って本人はそれについて悩んでいる様子はないようだ。耳元で甲高い声で騒ぐ女と違って大人しい。発する声は透き通ってよく聞き取りやすい。

汚い手使って手元に置いたルナを確実に手に入れたくてつい本音が口走ってしまった。付き合えと。
そんな雰囲気も無く、好きとも言ってない訳だから当然向こうには僕の思いの半分も伝わっておらず不思議そうな顔で見つめられた。それすら可愛いと思ってたなんて彼女は一生気付かないだろうな。
高圧的な態度で接さないと僕自身が保てなさそうでつい強引な手になってしまう。付き合えの意味を理解してないルナに手を出して無理矢理気付かせたぐらいだ。
驚いてたものの割りと平然とした態度で対処され腑に落ちなかった。嗚呼、やはり彼女は僕の事なんとも思ってないと。
あの凛として綺麗で澄ました顔をこの手で崩したい、完膚なきまでに打ちのめして堕として縋る様を見てみたい。考えてから実行に移すまでに時間はかからなかった。

僅かに震えてる身体を無理矢理捩じ伏せて、何か言いたげな口を塞いで、柔らかで滑らかな肌に余す事なく手を這わせて、開かれた事の無い身体を強引に開かせて、戸惑いと恥じらいと苦痛に歪んだ涙に濡れた顔を感慨深く眺めて、鈴のような声が艶やかな声色へ変わっていき、汚れや傷一つ無い無垢な身体に僕を刻む。
男を知らない男勝りな少女が女に変わっていく様を眺めるのが楽しくて仕方なかった。同時に愛しさも増していく。
無遠慮に汚い手で汚し、無理矢理手元に置いてる段階で好きや愛してるなんて美しい言葉言える訳がない。ルナが求めるならまだしも。こんな方法でしか愛し方がわからない。
恐らくルナは今まで異性を異性として好きになった事がないのだろう。一線越えた関係になっても変わらない態度で接される。それがとても虚しかった。
彼女にとっては嫌いでも好きでもない、友人より少し深い関係と言ったところか。ただ僕の我儘に付き合ってくれているだけで、いつ他の男に取られていくか想像するだけでぞっとする。

やや捻くれた性格が災いしてトラブルを抱えてくる事が多いルナ。どれも一応自己解決出来てるから国に迷惑はかかってないが、毎回怪我して帰ってくるのは心臓に悪い。
今度は絡まれていた女を助けた結果だとか言っていた。それにしても、騎士とは言え女の顔を殴るか普通。見もしない危害を加えた男に対し沸々と静かに怒りが込み上がってくる。
なのに当の本人は顔に傷が残ったところで問題ない、不細工だから今更なんて言って笑い飛ばす始末。そこだけが唯一気に入らないとこだった。
不細工だ可愛くないだなんて言われ慣れてるから、じゃないだろ。その言葉を鵜呑みにして開き直るお前はそんな輩同様馬鹿なのか。流石の僕でさえ、その綺麗な顔だけは傷付けないようにしているのに。
…少しくらい、僕の為に何かしてくれたっていいだろ。少しくらい、女なんだって自覚してくれたって…。

抵抗する身体を捩じ伏せて成すがままにされるルナを見るのが堪らないというのはあながち間違いではない。―いや事実だ。それに加えて泣き顔まで拝めて最終的に身体が求めてくるようになれば至高であろう。我ながら性癖がどうかしてる。
罵倒してくる言葉を流して珍しく掲げられた取引の条件をほぼ無視して事を進める。逆にそうまでして抵抗する理由を知りたくなる。
観念したのか漸く大人しくなったところで服を捲し上げれば見慣れない下着が現れて思わず凝視してれば耐え切れないのか弱々しく振り絞った声で抗議の声が上がる。
いつもはお世辞にも色気があるとは言えない下着を身に着けてて、まぁそれについてはある程度想像してたしどうせ脱がすなら関係ないと然程重要視してない寧ろどうでも良かったから全く気にしていなかったのに…いざ目の前にしてみると大分違う。今までの概念を覆す程に。というか率直に言って、


「可愛い…」


思わず口が滑った。聞こえてなかったみたいなので別の話題振って誤魔化せて良かった。
妙に抵抗してた理由がこれとは。本当に飽きさせない、ますます手放したくなくなる。
これしきの事で全身真っ赤にする程恥じらって泣き出しそうな姿が脳に焼き付いて下半身が熱を帯びた。
…加減出来そうにないな。
僕の為じゃないかもしれないのに悦びを感じてる自分がいる。見かねた友人の影響なのかもしれない。それでも、こんな愛らしい姿が見れたのだから理由なんてどうでもいい。

その後、滅茶苦茶犯してしまったのは流石に反省せざるを得ないが…。






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