04
『もう、家に来ないで』
昨日の夜中に来たメール。
いきなり何なの?
理由聞いても言わないし。
・・・もしかして別れたい?
でも、僕ははっきりとした理由とか、全部聞いて納得するまでそんなつもりは皆目ないよ。
もしそうだとしても、
僕がそんな子供じみたごまかしで納得できるわけ、ないじゃない。
――ガチャ
「上がるよ」
――ニャー?
彼女の家に上がった途端、足に纏わり付く黒い毛玉。
いや、動いてる。
毛玉じゃない。
それに、尻尾・・・・
「・・・・・・猫?」
「あー!キョーヤ外出ちゃ駄目だって!」
「・・・・・・は?」
「ぅえ!?雲雀さん!?」
「・・・ああ、そういうこと」
可愛いことしてくれるじゃない。思わず笑っちゃうんだけど。
まぁ・・・その可愛さは買ってあげるよ。
でもさ、
「ねぇ、猫を呼ぶ前に、僕に名前を呼んでみせてよ」
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