年上天然お手伝いさんとオズ

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バタン


「おやオズ様、どうしました」

「レイムさん。ブレイク、いる?」

「ああ、確か本部に用があるとかなんかで外に出て……あ」

「あれ、オズ君じゃないデスカー。一体何の用デス」

「ブレイク、彼女に何か言ったの」

「は?」

「……泣いてたんだ。いつもあんなに元気なのに」

「……彼女はワタシが原因だと言っていたんデスカ?」

「……………」

「八つ当たりデスカ?」

「……ごめん」

「泣いている理由を話してもらえなかったことが、そんなにショックだったんですカ?」

「おい、ザクス」

「レイムさん、黙ってて下さい」

「…………うん。思ったより、こたえてるみたいだ」

「……………だそうですヨー! 訳を教えてあげてはどうですカー?」

『あ』

「え………ええ!?」

『あ、の……レイムさんに、資料を…届けに……』

「え? あはい、ではそこの机にお願いします」

『は、はい』


ドサ


『…………』

「「「…………」」」

『……あ…し、失礼しました!』

「っ! ちょ、ちょっと待って!」


バタン


「……作戦成功、デスネ!」

「お前ってやつは……」

「見ててくすぐったいんデスヨー、最近のオズ君は。一回正面から向き合えばいいんデス」

「………だからといって……どうしてこういうやり方しか出来んのだ、全く……」







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「はあ、はあ………っと、待って!」


パシッ


『あ……』

「…………ごめん、迷惑、だったかな」

『いえ、そんな! ……ちょっと、あの空気に耐えられなかった、というか』

「…………」

『………な、』

「ん?」

『泣いていた、理由は、ですね』

「うん」

『………花粉症、なんです』

「…………え」

『その……朝、薬を飲むのを忘れていてですね……あっ、さっき飲んできたので、今は大丈夫ですよ!』

「…………」

『わざわざオズ様に言うこともないと思ったので…すみません』

「………なんだ」

『……お騒がせしましたっ』

「よかったぁ……ほんと…」

『それで…』

「え?」

『こたえた、ってどういうことですか?』

「え」

『……?』

「……………」

『あ、あの……』

「………そっ」

『?』

「そんなの自分で考えてよ! おっお俺より年上でしょ君!」

『え、あ、あの、オズ様』

「な、何?」

『手……』

「………こっ、これから仕事でしょ? 君一人だと迷うだろうから、お、俺が案内してあげるよ!」

『本当ですか!? ありがとうございます!』

「(あーもう。その笑顔と触れている手だけで、何もかも許せちゃうなんて。どうかしたのかな、俺)」













年上天然お手伝いさんと鈍感オズ
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いい天気ですね
そ、そうだね
このままお散歩しちゃいたいくらいです!
……!ち、ちゃんと仕事しなきゃだめだよ!
でもオズ様、嬉しそうですね!
そ、そんなことない!





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