わたしと彼の日常

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『………ぅえ』

「えっ!? どどどどうしたの!?」

『うええええオスカー叔父さぁぁぁぁああん』

「………え、おじさ…?」

『音也っ、パンドラの最新巻、読んだ!?』

「いや読んでないよ、っていうかなまえが一番最初に読むって言って、俺が買ってきた漫画奪い取ったんだよね?」

『ちょっと、早く読んで! はやく……うわぁぁぁぁん!!』

「そ、そんなに急かさないでよ……あぁっ、涙が漫画についてる! ほら、拭いてっ」

『ありがとう……』

「ほんと、感受性豊かっていうか……俺がオリコン1位とったときはなまえ泣いてくれなかったのに…」

『あれは当たり前でしょ。わたしが楽曲提供したんだから』

「……うわぁ、自信満々だね。トキヤみたい」

『あの人と一緒にしないでくれる』

「……なんでいつもそんなにトキヤのこと嫌がるの?」

『…………』

「……俺には言えないこと?」

『……あの、さ』

「うん」

『トキヤくんの話するとき、音也すごく嬉しそうっていうか……』

「…………」

『トキヤくんには負けたくないっていう対抗心が沸き上がるというか……うわぁっ』

「……っ、かわいいなぁ、もう!」

『ちょっと音也!……くすぐったいっ』

「……へへ。嫉妬してもらうのって、こんなに嬉しいことなんだね」

『………トキヤくんに嫉妬するとか、馬鹿みたい。友達なのに』

「でも、俺も七海に嫉妬したりするよ? この前も、なまえ七海とお泊まり会したんでしょ?」

『……まぁ…』

「いいなぁ、俺もなまえとお泊まり会したい!」

『……!!! 音也!それ言い方によってはすごく危ないから!!』

「何で? 俺、なまえの彼氏でしょ?」

『……うっ…』

「ねぇ、俺とお泊まり、しよう?」

『その手には!のらないっ!からっ!』

「えっ……俺じゃ、嫌?」

『そういう意味じゃなくて……』

「…………」

『……わかった、いつかしよう』

「やったー! その言葉、俺一生忘れないから!」

『(また流された……)』

「泊まりだけじゃなくて、いろんなことしようね! ゲーセン行ったり、カラオケ行ったり!」

『発想が若いね』

「……まぁ俺は、なまえとならどこでもいいけど」

『……うん、そうだね。音也となら公園とかでも楽しめそう』

「公園かぁ。フリスビー持ってかなくちゃ!」

『犬か』

「えー、なんでなまえまで犬って言うの。俺、そんなに犬に似てる?」

『むしろ犬じゃなかったら何に似てるっていうのよ』

「……なんだろう…くまとか?」

『どこがくまなの。全然似てないよ。さてっ、ほら、はやくパンドラの最新巻、読んで!』

「あっ、そうだった」


















わたしと彼の日常
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このあと、しばらく続いた静かな時間も、漫画について語り合っている時間も、一緒にいるこのとき全てが、愛しくてたまらないんだ。






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