収録後の楽屋で恋愛話をしてみた
[ 1/1 ]
『あっ、藍ちゃんお疲れさまー』
「お疲れ」
『………』
「……ねぇ、君って恋愛したことあるの?」
『えっ!?……え、わたし!?』
「……なまえしかいないでしょ。きょろきょろしないでよ。で、どうなの?」
『……藍ちゃん、な、何でいきなり…』
「いいから」
『う……。ありますよ、一応、人並みに』
「へぇ、そうなんだ。相手は誰?」
『えっ、と、藍ちゃん、そこまで聞いちゃう?』
「過去のことなんだから、言うくらい別にいいでしょ。それとも、言いづらいような人なの?」
『いや、そんなことないけど…。同じ部活の人でした』
「付き合ったの?」
『ううん、フラれちゃった』
「先輩?」
『そう、一つ上』
「どんな人?容姿は?性格は?」
『えーと、背が高くて、少し天然パーマで……って、もういいでしょ!恥ずかしいよ!』
「恥ずかしい?どうして?」
『えっ』
「恋愛はいいことだ、って言ったのはなまえでしょ?なのにどうして恥ずかしいの?」
『あ…』
「それに、ボクは恋愛がどういうものか気になるだけ。ただ単にデータを取るために聞いているんだから」
『……そしたらおかしくない?』
「……なんで?」
『藍ちゃん、わたしが好きになった先輩のことばっかり聞いてきたじゃん。データ取るんだったらもっと違うことが気になるんじゃない?』
「………」
『あれ、藍ちゃん顔あか』
「赤くない!別に照れてない!」
『え、そこまで言ってないよ』
「とにかく、ボクは恋愛に興味があるんだから。別になまえの好きな人が気になるわけじゃないからね」
『………えっと』
「じゃあね」
『あ、ちょっと待っ』
パタン
「………」
「……あっれー?アイアイじゃーん!どうしたの、こんなところに突っ立って……ん?顔赤いよ、どうしたの?」
「……うるさいレイジ、黙って」
収録後の楽屋で恋愛話をしてみた
-------------------
ボクは、知らない。
この感情の名前も、ショートしそうなくらい熱い頬の意味も。
prev / next