干物女と犬系男子
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「もしもーし」
『もしもし』
「久しぶりだねー!」
『そうだね!仕事どう?』
「順調順調!でも、なまえに会えない時間が長くなるのは辛いなぁ」
『おお』
「あ!あのね、来週の日曜日、俺予定なくなったんだ!会えないかな?」
『あー、うん、空いてる、けど』
「……けど…?」
『その日部屋片付けようかと思ってたんだよねー。しかも家出るのめんどくさい』
「あー、なまえ、干物女だもんね!」
『……うっ』
「あ、じゃあ、俺が家に遊びに行こっか?」
『……え。あ、あの、休日は、親がいて、ですね』
「冗談だよ。あははっ、かわいいなぁ」
『……おい音也。からかうな』
「いいじゃん。かわいいんだから」
『やめろおおおお!干物!そうだ!わたしは干物なんでしょ!?なのにかわいいの!?』
「干物でもなんでもいい。かわいいよ、なまえ」
『っだあああああ!』
「あっはは!あー、おもしろいなぁ」
『ほんとにもう……』
「で?日曜日はどうなの?」
『……うちの近くなら、いいよ』
「やったー!干物女も、俺には弱いんだね!」
『うるさいっ!』
干物女と犬系男子
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『照れることをさらっと言うな!』
「えー、だって言わなきゃ伝わらないじゃん」
『……でもですね、どう反応していいのかわからんのですよ』
「そのまま照れてればいいんだよ」
『………(でもさすがに、こう言われ続けると慣れちゃうんだよなぁ)』
「あ。またまたぁ、照れちゃった?かわいいなぁ!」
『違うわ!』
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