赤いギターのストラップ

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『あ』





ふらっと寄ったお店に、かわいい赤いギターのストラップがあった。





『………』





頭に思い浮かぶのは、クラスメイトの彼。

わたしはそれを持ってレジへと向かった。










翌日。





『一十木くん』

「ん?どうしたの、なまえ」

『これ、あげる』

「え、何なに?……………うわぁ!かわいいね!くれるの!?」

『うん』

「うわぁ、ありがとう!俺、大事にするね!」

『うん』

「どうしたんですかぁ、音也くん」

「あ、見て見て那月、マサ!なまえがくれたんだ!」

「ん?一十木、今日誕生日なのか?」

「ううん、違うよ」

「じゃあなんでプレゼントもらったんですか?」

「あれっ、なんでだろ。そういえば何で俺にプレゼントくれたの、なまえ」

『えっ、と。たまたま、お店で見掛けて、一十木くんのイメージにぴったりだなーと思って』

「確かに、このストラップは音也くんそのものって感じですもんねぇ」

「しかし、記念日でもないのに自然にプレゼントを送ろうと思えるのはすごいな。どこかで聞いたことがあるぞ。何もないときに贈り物をしたくなるのは、その人のことをいつも思っているかららしい」

「え?」

「本当ですか、真斗くん」

『!! あ!い、一十木くんはクラスで目立つから、印象に残ってただけだよ!』

「なんだぁ、そうですか!」

「む、そうか」

「……そっかぁ、そうだよね。ありがとう、なまえ!ギターケースにつけるよ!」

『うん』
















赤いギターのストラップ
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いつも考えてる、なんて思ってなかったけど。

聖川くんに言われて初めて、わたしの世界は一十木くんを中心にまわっていることに気がついたんだ。





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