休日のひととき
[ 1/1 ]
「……」
『……トキヤ、』
「なんですか」
『課題に集中できない。やめて』
「私はただあなたを見てるだけですよ」
『ずっと見られてたら気が散るでしょ!』
「でもあなたは私が近付くと避けるじゃないですか」
『だって何するかわかんないんだもん』
「近付くんですから何かしらするに決まっているでしょう」
『出たよ変態発言』
「何か言いましたか?」
『いいえ何でもないです……あ!』
「何です?」
『リモコン貸して、テレビ付ける』
「嫌です」
『……えー』
「………そんな顔をしないでください。そんなにあの映画が見たいのですか、あなたは」
『うん。トキヤ主演だもん』
「…仕方がありませんね」
『えっ、じゃあ』
「今日だけの特別です、一緒に見ることにしましょう。ですが、条件があります」
『ん、何? ………!』
「このまま見ましょう」
『あの、トキヤ? 動けないんですけど…』
「いいでしょう。こうして後ろから抱き締めていれば、あなたに私の顔を見られることなく、あなたのぬくもりを感じることができる」
『……』
「……」
『…なんかトキヤが言うと変態だね』
「他に言い方はないんですか」
『ごめんなさい』
「さぁ、では見ましょうか」
休日のひととき
-------------
-おまけ-
『……ねぇ、トキヤ』
「何ですか、今いいところですよ」
『なんで映画見てるときの顔見られたくないの?』
「………え。」
『え?』
思わず振り向いたら、そこには頬を染めたトキヤがいました。
「! こちらを見るのはやめなさい」
『……いいもの見ちゃったー』
「忘れなさい」
『絶対忘れませんよー!』
「……今夜はお仕置きですね」
『すいませんでした忘れます!』
「謝っても許しませんよ」
『(しまったこの人変態だった)』
「今何を考えたんですか」
『なんでもないです』
-----------------
……変態連呼してごめんなさい。
prev / next