休日のひととき

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「……」

『……トキヤ、』

「なんですか」

『課題に集中できない。やめて』

「私はただあなたを見てるだけですよ」

『ずっと見られてたら気が散るでしょ!』

「でもあなたは私が近付くと避けるじゃないですか」

『だって何するかわかんないんだもん』

「近付くんですから何かしらするに決まっているでしょう」

『出たよ変態発言』

「何か言いましたか?」

『いいえ何でもないです……あ!』

「何です?」

『リモコン貸して、テレビ付ける』

「嫌です」

『……えー』

「………そんな顔をしないでください。そんなにあの映画が見たいのですか、あなたは」

『うん。トキヤ主演だもん』

「…仕方がありませんね」

『えっ、じゃあ』

「今日だけの特別です、一緒に見ることにしましょう。ですが、条件があります」

『ん、何? ………!』

「このまま見ましょう」

『あの、トキヤ? 動けないんですけど…』

「いいでしょう。こうして後ろから抱き締めていれば、あなたに私の顔を見られることなく、あなたのぬくもりを感じることができる」

『……』

「……」

『…なんかトキヤが言うと変態だね』

「他に言い方はないんですか」

『ごめんなさい』

「さぁ、では見ましょうか」











休日のひととき
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-おまけ-


『……ねぇ、トキヤ』

「何ですか、今いいところですよ」

『なんで映画見てるときの顔見られたくないの?』

「………え。」

『え?』





思わず振り向いたら、そこには頬を染めたトキヤがいました。





「! こちらを見るのはやめなさい」

『……いいもの見ちゃったー』

「忘れなさい」

『絶対忘れませんよー!』

「……今夜はお仕置きですね」

『すいませんでした忘れます!』

「謝っても許しませんよ」

『(しまったこの人変態だった)』

「今何を考えたんですか」

『なんでもないです』







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……変態連呼してごめんなさい。





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