丸井 2011
なーんか忘れられてる様な気がする。
ってか、確実に忘れられてる。
「なぁ仁王。」
「ん?なんじゃ?」
昼休み、中庭で猫に囲まれながら今日は珍しく弁当を突いてる仁王の隣に座って、話し掛ける。
ってか、猫に囲まれるって相当懐かれてるな…
俺が仁王の隣に座ったら全員俺と反対側に行ったし。
(二、三匹俺に威嚇してるけど。)
「何か忘れてね?」
「……何かって?」
右手で猫を撫で、左手では箸を持って口に運ぶ作業。
顔は一応こっちを向いてるけど、意識は猫と弁当の方。
何かそれが無性にイラついて、ヤケクソに誕生日をとっくに過ぎた事を告げる。
「へー、そうだったんか。おめっとさん。」
「…、……ああ」
だけど、帰ってきたのはそんな素っ気ない返事。
コイツは前、『親しい奴の誕生日は覚えてる』って言ってたから、俺のも覚えてると思った。
そりゃあ俺はこの前レギュラーになったばっかりで連絡先も知らないけど、準レギュラーは一緒にやってた時もあるんだし、それなりに親しいと思ってたのに…
「……なーんてなっ♪
………え、おーい、丸井ー?……ブンちゃーん…」
「っ!?/// な、何だよぃ?」
俯いてたら急に銀色と何故か泣きそうな顔が出て来てビックリした…
つーか顔熱いし…!!
ブンちゃんって何だよぃ?!
「冗談じゃったのに… それと、無視されると結構キツイ…」
「え、あ、す、スマン…(てか可愛っ///)」
と、とりあえず、猫をギューッとし始めた仁王の頭を撫でとく。
コイツってヘタレなのか…?
それより、『冗談』って一体何が…
その答えは、しばらくすると仁王がいそいそと上着の内ポケットから出して来た。
「ブンちゃ… あ、丸井の誕生日はちゃんと覚えとったよ。
でも何と無くタイミングを逃しての…」
へにゃっと苦笑いをしながら渡されたリボンが掛かった封筒を開ければ、最近出来た店のケーキバイキングペアご招待券…
ってか、お前絶対俺のこと影でブンちゃんって呼んでるだろ。
「ちょっ、お前コレ…!」
「姉貴が結構そういうのに顔が広くてのぅ、頼んだら貰えたナリ。
誰か誘って行きんしゃい」
弁当を片付けてその場から去ろうとする仁王の腕を掴む。
「お前今日部活の後暇?暇だったら一緒に行こうぜ」
俺の言葉に驚いてたみたいだけど、少し間があった後またへにゃって笑う。
「ブン… 丸井がええならええよ。」
「…どうせならもう堂々と『ブンちゃん』って呼べ!」
「……… なら呼ばせてもらうな、ブンちゃん♪」
「おうっ///」
他の奴と違って仁王に苗字じゃなくてあだ名で呼ばれたのが嬉しいとか、今だけは気付かないふりをしとく。
HAPPY BIRTHDAY!Marui!
今日の戦利品
・ケーキバイキングペアご招待券
・仁王のヘタレ疑惑
・『ブンちゃん』って仁王専用呼び名
ヘタレに関しては、それが素だと分かるのは今からそう掛からない。
………ハイ、ブンちゃんの誕生日に気付いたの昨日(05/06)です。ジローを始めとする鬼の副長さんや風紀委員長様の誕生日も忘れてました…
ブンちゃんの誕生日は弟と同じだから大丈夫だと思ってたのに……
とりあえず、2年の始めはそんな親しく無いかなー?ってのと、ブンちゃんって呼び始めたのはここら辺って事を書きたかっただけ。
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