泣いて笑ってバカやって、そんな日々を愛しく想う | ナノ





テレビにしっかりと映っている銀さんと新八と神楽。私だけ桂さんの所にいたから大使館にあった監視カメラには映ってなかったみたい。まぁ別に映っても良いけどさ私。

新八は顔を青くし、神楽はテレビに出演したことを喜んでる。流石、状況を把握していない神楽ちゃん。
何故テレビを見ているのかというと、私たちは桂さんに連れて来られた部屋でとりあえず身を隠すことになったからだ。
テレビ備えつけとか揃えが良いね!お茶菓子もあるよ!


「何かの陰謀ですかね、こりゃ。何で僕らがこんな目に。唯一桂さんに会えたのが不幸中の幸いでしたよ。こんな状態の僕らかくまってくれるなんて。銀さん知り合いなんですよね?一体どーゆー人なんですか?」
「んーー、テロリスト」
「はィ!?」


銀さんの回答に新八は思わず聞き返す。…と、部屋に丁度桂さんと仲間らしい男の人達が入ってきた。


「そんな言い方はよせ」

「この国を汚す害虫“天人”を打ち払い、もう一度侍の国を立て直す。我々が行うは国を護るがための攘夷だ。卑劣なテロなどと一緒にするな」
「攘夷志士だって!?」
「なんじゃそらヨ」


神楽がテーブルの上にあったお菓子のうち、煎餅をバリバリと音を立て食べながら新八を見た。
私も何か食べようかなとお茶菓子を見つめていたけど、一旦新八達の方を見て口を開いた。



「なんか凄いやつでしょ?天人を地球に入れさせないように頑張ってた人達でしょ?」
「簡潔すぎですよ陽さん。…まぁ何となく合ってますけどね」

「詳しく言えば、二十年前の天人襲来の時に起きた外来人を排そうとする思想。高圧的に開国を迫ってきた天人に危機感を感じた侍は彼らを追い払おうと一斉蜂起して戦ったんだ。でも天人の強大な力を見て弱腰になっていた幕府は侍達を置き去りに勝手に天人と不平等な条約を締結。幕府の中枢を握った天人は侍達から刀を奪い彼らを無力化したんだ。その後、主だった攘夷志士は大量に粛清されたってきいたけど…まだ残ってたなんて」


…漫画として読者の為に解説しなきゃいけないのは分かってるんだけどさ、細かく覚えすぎだろオイ。
都合良すぎだろオイ。


「…何でそんなの覚えてんの新八。それ覚えるぐらいならレジ打ち覚えよーよ。私バイトやった時一日ですぐ覚えたよ」
「ちょっ…何それ何で知ってんの!?陽さんと会ったのもっと後だよね!?」
「あっははー私をナメちゃいかんよ!」


まぁ一話の最初のシーンだしすぐに分かることなんだけどさ!
多分あれだよね、新八は常識はあるけど今までの環境が環境だっただけに機械類が弱いってだけなんだろうね。
パソコンもゲームもやりまくってた私とは違うんだろうね。まぁ時代が違うから当然なのかな?



「…どうやら俺達ァ踊らされたらしいな」
「?」
「なァオイ、飛脚の兄ちゃんよ」


体を起こして立ち上がった銀さんの言葉に、私たちは銀さんの視線の先を追う。
桂さんの後ろにいる男の人達の中に、今朝スナックお登勢に突っ込んだ飛脚の人が。


「あっほんとネ!!あのゲジゲジ眉デジャヴ」
「ちょっ…どーゆーことっスかゲジゲジさん!!」


新八にまでゲジゲジさんと呼ばれてるけど、男の人は視線を逸らして何も言わなかった。
…これ巻き添えくらったってことでいいのかな。ね?


「全部てめーの仕業か、桂。最近世を騒がすテロも、今回のことも」


桂さんは少しの沈黙の後、腰にさしてある刀に手を伸ばしそれを取り出した。


「たとえ汚い手を使おうとも手に入れたいものがあったのさ。……銀時、この腐った国を立て直すため、再びおれと共に剣をとらんか」

「白夜叉と恐れられたお前の力、再び貸してくれ」







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