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Knights the Phantom Thief

Step.32 夜中の旅は不発

夜中の二時ごろだろうか。
ふと、泉は一階からかすかな物音が聞こえて目が覚めた。名前だろうか。いったいこんな夜更けに、何をしているというのだろう。

犯罪コンサルタントを家に泊めている時点で、何があってもおかしくないだろうと言われればそこまでなのだが。……彼女の場合、世間知らずな一面があるため、こんな夜中に散歩をしてみたいと言い出す可能性もあるし、調査がしたいと言って夜の森に行く可能性だってある。どちらにせよ、放置したままにする選択肢はなかった。

念のため、拳銃を手にした状態で階段を下りる。足音を消すだの気配を消すだのは、もはや初歩中の初歩なため意識はしなかった。

一階に降りると、何やら玄関の方がほの明るい。やはり外に出るつもりだったかと泉は頭を抱え、止める為に急いで玄関に向かったが、思わぬことに人影が二つあった。

(ちょっと、人ん家できな臭い行動起こさないでよねぇ……)

物陰に隠れて、玄関の方をじっと伺う。幸いにも夜闇にすぐ目は慣れ、耳も敏感に小さな声を拾い始めた。

「はい、これ」
「ありがとう。さすがは【Thief】だね」
「これくらい余裕だから。で、お代ちょうだい?」

どうにも聞き覚えのある声、明らかに――凛月の声だ。
なぜここに、と思った泉を他所に、さらに彼は予想外の行動に出る。

「あっ、んむっ」
「ん……ふふ……♪」

凛月の両手が、名前の頭をかっちりと固定し、そのまま二人の顔が重なった。すぐに厭らしい水音が玄関に響き始め、一瞬泉は何が起きているのか理解できなかった。

(ちょ、ちょっと、どういうことなのぉ!?)

名前はレオと恋人だと思っていたのだが、これはどういうことだ。

泉があっけにとられているのを他所に、二人のキスはさらに深くなっていく。こちらに背を向けた名前の表情は分からないが、甘い蕩けた声が時折キスの合間に零れ落ちていた。すっかり腰が抜けてしまったのか、凛月の片腕に支えられ、少女は男の思うまま……という構図があっという間に完成していた。

「り、りちゅ……」
「名前、もう濡れてる……」
「らってぇ……」
「あは、呂律回ってないし。ねぇ、痛いのと気持ちいいの、どっちがいい?」
「きもちいいの……」
「ちぇ。良いじゃん、たまには吸血させてくれてもさぁ……?」

そう言いながら、凛月はするりと名前の着ていたネグリジェの中に手を滑らせた。玄関先の靴箱に名前が背を預けた為、二人の様子が泉にがよくわかるようになった。

「だって、首痛いからいや……」
「はいはい。しょうがないねぇ……名前は処女だから、痛いの怖いもんね?」
「も、もう……子供扱いしないでよ」
「子供じゃん。今は、体も子供にしてるし」
「それは変装、だから……あっ」

凛月が無理矢理ネグリジェの前をはだけさせると、子供にしてはいささか不釣り合いな胸がぷるりと震えて姿を現した。胸の頂きは淡いピンク色で、未使用な感じがなんとも処女らしい。玄関の明かりに照らされて、僅かに硬くなっていた。

「あれ。子供のおっぱいだから、揉んで大きくしてあげようと思ったのに……」

凛月が力を込めれば、柔らかく変形していく。既に十分大人のそれは、少し上にある幼げな顔とは不釣り合いだ。

「もう大きくする必要、ないかもねぇ……?」
「あ、あ……? や、やだぁ、恥ずかしいよぉ……」
「王様に大きくしてもらったの?」
「ふあ、あ……」

胸の頂きをきゅっと摘ままれ、名前は声を押し殺して喘いでいる。一応、この家に泉が寝ているという事実は頭の隅に残っていたらしい。……残念ながら、泉もばっちり彼女の痴態を目にしている訳だが。

「ねぇ〜。俺の質問に答えて」
「や、やだっ!」
「ちょっと。我儘な子は、俺好きじゃないよ?」
「ひゃっ!? やら、たべないでぇ……」

何かと思ったら、凛月が名前の胸の飾りを口に含んでいるようだ。歯を立てられたのか、名前が怯えたようにふるふると首を振って嫌がっている。しかし舐められれば甘い声で「あぅ……」と大人しくされるがままになるので、かわいらしいものだ。そのうち凛月の頭を抱え込んでびくびくと内ももを震わせ始めるので、泉はごくりと唾をのんだ。子供用の愛らしいネグリジェから覗く白い脚が、不釣り合いな淫靡さを纏っていたのが、どうにも下半身を重くしてくる。

「あっ、ああっ」
「王様にちゃんと胸も可愛がってもらってるんだ……胸だけでイきそうになってるのに、本当に処女なの?」

処女だと肯定するようにこくこくと言葉もなく頷き、ほろほろ涙を零してイきたいと無言で訴える姿は、この上なくちぐはぐな光景のように感じられた。その様子を見下ろす凛月は、雄の顔をして静かに微笑んだ。

「確かめていい?」
「あ、らめ……いれちゃだめ……」
「うわ、傷つくなぁ」

さして傷ついたようには思えない声色で凛月が言った。すると、名前が突然ぺたりと膝を地面につけ、凛月のズボンにすりすりと頬を寄せ始めたのでぎょっとする。その様子を見ても、凛月は動じていない。明らかに、毎回のことのような慣れた顔をしていた。

「そう。……ちゃんとご機嫌とりして、えらいねぇ」
「凛月……」
「しょうがないから、王様が抱くまでは我慢してあげる。ほら、いつもみたいにして?」

凛月がそう言って、玄関に備え付けた低めの椅子に腰を下ろした。そのまたぐらに名前は顔を滑り込ませ、小さな口でズボンのジッパーを加えた。不器用そうに、じじ……とゆっくり下ろしていくと、凛月が優しく頭を撫でる。

「良い子」

ジッパーを下げるだけで名前の仕事は終わりなのか、凛月は自らズボンを下ろし、すでに先走りのにじんでいるボクサーパンツも下ろした。ぼろん、と目の前に飛び出た男のものに、名前は頬を赤くしている。

「まだ王様の、見たことないの?」
「ない……」
「そう。……ほんと、どんだけ大事にされてるんだか。初夜に抱き殺されないように気を付けてねぇ……♪」

洒落にならないことを言いながら、凛月はその竿をぐりぐりと名前の頬に擦り付けている。名前はきゅっと目を瞑っているけれど、嫌がっている感じではなかった。それがまた、異常な空気を強めて厭らしい。

「ほら、おっぱい出して」
「あ……」
「処女のままにしてなきゃダメだから、おっぱいでおまんこの代わりするんでしょ? 俺に嘘つかないでね?」

あんまりにもあんまりな発言に、泉は目を剥いた。が、名前は泉ほどの衝撃を受けておらず、うるうると瞳を滲ませて凛月の言葉責めを受け入れていた。ついに、さきほどまでは凛月の顔が寄るだけでも躊躇っていたそこを、自分の手で自ら支えた。白く柔らかそうな胸が、凛月の固く勃起したそれを挟み込む。

「うん、相変わらずふにふにしてるよねえ」
「凛月の、熱いよぉ……」
「名前がエッチな声で喘ぐからだよ。セッちゃんに聞かれたらどうするの……?」

そう言った凛月が、確かに泉の方へ視線を送った。まぁ想像はしていたが、凛月にもばっちり泉の姿は目視で来ていたらしい。とりあえず他人の家でおっぱじめたことに対し、同僚に親指を下に向けてみたが、凛月は全く意に介さない様子だった。

凛月が腰を動かすと、名前の白い胸がだんだんと厭らしいぬめりを纏っていく。たまに彼が動きを止めると、彼女が自ら扱きあげるように胸をずらしたり、谷間から覗く亀頭に唇を寄せてちゅうちゅうと赤子のように吸い付いた。

どうにもその様子は子供のようで、とてつもなくマズいものを見ている気分にさせられる。――いや、リーダーであるレオの女(暫定)でパイズリに勤しんでいる同僚と表記すれば、それはもうマズいものでしかないが。

ぬちゅぬちゅと卑猥な音が玄関先に響く。こんなAVじみた光景が、自分の実家で繰り広げられるとは夢にも思わなかった。ティッシュケースが何処にあるのか……なんて泉は現実逃避のように考えて気を紛らわすことにした。

自分のズボンの前がキツイことは、見ないふりだ。

「っ、そろそろイくっ……」
「り、りちゅ……」
「は、乳首擦れて気持ちいい? じゃ、一緒にイこうねぇっ……!」

一層律動が早まり、二人の呼吸が荒くなる。
凛月が呻き声をあげたとほぼ同時に、びゅるるっ! と音を立てて彼が射精する。名前はとっさにきゅっと目を閉じていたが、幼い顔やつややかな黒髪、そして不釣り合いに大人じみた胸にも、白い液体が飛び散った。

「ふあ……あちゅい……」

目をハートマークにしているように思われるほどの蕩けた声が、玄関先に響いた。凛月が精液まみれの顔をぬぐってやることもせずに彼女を抱え上げると、ぽたぽたと太ももを伝い、愛液が床に染みを作っていく。

「気持ちよかったねぇ、名前」
「うん……」
「これで、俺の仕事分のお給料は貰ったことにしてあげる。で、今日はセッちゃんの家に泊まりたいんだけど、いいよね?」

明らかに泉に声をかけてきている。もう後は野となれ山となれ、やけくそで泉は二人の前に姿を現すことにした。――まずは、玄関先の掃除からやらせねばなるまい。