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『Knights』とクリスマス



「メリークリスマス!」

「セナ、おまえは帽子だぞ。おれは付け髭」
「じゃあ俺は、無駄に分厚い上着にしようかなぁ……?」

「よく見えないけど、なんか襲われそうになってる――!?」

もふもふすぎる付け髭と、サイズをミスったサンタさんの帽子のせいで、よく周りが見えない。あと、無駄にサンタさんっぽい体形にしようと胴回りに巻いたタオルのせいで、身動きも取りづらい……!

「先輩方!? いくら衣装にがっかりしたからと言って、Ladyの衣服を剥ぎ取ろうなど、騎士のやるべきことではありませんっ!」
「そ、そうだよ! 司くんの言う通り!」

こんな時でも司くんだけは信じられる。さすがジェントルマン! 英国紳士としてはね! あれ、司くんの英語は別にクイーンズイングリッシュじゃないかな?

「はぁ〜。じゃあスオ〜は、こんなサンタ衣装でいいのか? おまえの敬愛する女王だって言うなら、もっと美麗な服を着るべきだろ〜?」
「うぐっ……そ、それは……」
「ちなみに俺は大反対だよ〜。こんなダッサイ格好、許せるわけないよねぇ?」
「ダサい!? ひ、酷いよいずみん!」
「そのダサいあだ名はやめろって言ってるでしょ〜!?」
「ダサいダサいって連呼しすぎでしょ。俺は、名前の身体の線がでない衣装は認められないだけ〜……♪ そ〜れ」
「うわぁ!?」

凛月がやる気ない声を出しつつ、ものすごい勢いで私のもっふもふな服を引きはがしにかかってくる。うわ寒い! ものすごく寒いよ! 下体操服なんだもん!

「てか、これサイズデカすぎでしょ〜? あんたの頭にあってないし」
「うわ!? 急に視界が明瞭に!?」

泉に帽子を奪われたらしい。ついでにとばかりにレオがあっさり私のつけていた付け髭をはがしてきた。このもふもふした付け髭、気に入ってたのに!! クオリティ高いから!

「ひどいよ皆……急に脱がしてくるなんて……! 鳴ちゃんが帰ってきたら言っちゃうよ!?」
「あらまぁ、名前ちゃんったら体操服なんか着てどうしたの?」
「あっ鳴ちゃん! 酷いんだよ、皆が私のサンタガチ勢戦闘服を脱がして…………」

鳴ちゃんの声がしたと思って振り返った。が。
彼がその手に抱えていたのは……どう考えてもスカート丈の短い、いわゆるミニスカサンタ服だった……!

「うふふ! 今日は名前ちゃんをおめかしさせてあげられると思って、張り切って選んできちゃった♪ さぁさぁ椅子に座って頂戴、今日はアタシが張り切ってメイクもしてあげるんだから〜!」
「えっ? い、いや結構で」
「よかったな名前! ほら、良い子にして座りなさい!」
「レオ! こんな時だけお兄ちゃんヅラしないでよ!」
「ほらほら、我儘言わないの……♪」

凛月にあっさり抱えられ、見事椅子に着席させられる。
完全に詰みました本当にありがとうございます。この後めちゃくちゃメイクされたしめちゃくちゃ脚が寒かった。