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夢ノ咲モニタリングが見たい


「はーい、という訳でやってまいりましたお化け屋敷! 『Knights』の皆さんこんにちはー!」
「クッソ季節外れなんですけどぉ! 誰なのこんなバカ企画立てたの! あんた!?」

開口一番ツッコミを決めてきたのはやっぱり泉だった。もうちょっとお上品にしゃべろうよ、もう放送委員会のカメラ回ってるよ。なんて色々言いたいことはあるけれど、今日は口を閉ざそう。

なぜなら今の私は、プロデューサーではない……レポーターなのだから!

「私じゃなくて転校生ちゃんだよ? いいの? 後輩に怒鳴ってるけど」
「俺の趣味は後輩いびりだから良いの!」
「それを公言しちゃう泉ちゃんって、毎回思うけど色々と強いわよねぇ〜」
「セッちゃんのその公言も所詮はツンデレ発言に過ぎないからさぁ〜……別にいいんでしょ」
「所詮はって何、どういう意味かなくまくん〜?」
「そのままの意味だけど。てか、後輩いびりたいなら、ス〜ちゃんいびってみなよ」

凛月がくすくすと笑いながら言う。そう言えば、司くんが大人しいような……

「お、おおお化け屋敷のロケ……ですか……」
「え、何かさくん……まさか怖いのぉ〜? チョ〜うけるんですけど」
「こ、怖くなどありません! Gentlemenたるもの、Ghostなどに怯えるはずは……」
「おわー」

凛月が間抜けな声をあげて司くんの背後からタックル。いや、タックルは危ないよね! こんな真っ暗なのに!

「うわぁあああ!!?」
「おわっふ」
「だ、だだだ誰ですか!? 司の後ろで叫んだのは!」

司くんがぎゅうぎゅうと私に抱き着きながら叫んだ。KAWAII.即刻ヨスヨスしたいところなのだけど、もう一人の問題児はどこ行った。

「ねぇ、レオはどうしたの?」
「『王さま』? うーん、そう言えばいないわねえ……凛月ちゃん何か知ってる?」
「あー……さっき、『インスピレーションが湧いてくる!』って、一人で奥まで行ったけど……追いかけたほうがよかった?」
「り、Leaderは勇猛果敢なのですね……見直しました……決して怖いとかではないのですが……」
「へぇ〜、怖くないなら一人で立てるねえ、かさくん?」

ばりっ! と泉が司くんを引きはがした。司くんが「お姉さま〜!」と悲痛な叫びをあげているのでつい追いかけたくなるけど、このままでは絵面が一ミリも変わらないというテレビ的にアウトな状況になりそうだ。

という訳で、心を鬼にして奥へと進んでもらおう。

「わはは! インスピレーションが湧いてくる〜! ああ見ろ、この生首! いい具合に血を流してんなぁ! まるでサロメだ!」

わ〜〜〜いい具合に奥の方でネタバレぶちかましてる困った幼馴染がいるぞ! ひっ捕らえろ!

「あらら。これはさすがに、あとで仁兎先輩に怒られちゃいそうねぇ。行きましょっか、皆」
「そうだね〜……これ以上ネタバレされると、ス〜ちゃんの反応が撮れない。撮り高が期待できないからね……ふふ」
「凛月先輩! Jokeはおやめくださいっ!」
「司くんが泣きそう! お姉さまが居るから……」
「ほら! レポーターの仕事する! かさくんから一メートルくらい離れなよぉ!」
「そんなに!?」

引き離された後輩と先輩……これもまた劇っぽい。サロメじゃないけど。なんてくだらないことを考える程度には、レオに毒されている私だったとさ。