140 | ナノ




ねえ、ルキ。あのさ、今まで言ったことなかったけど。ルキはさ、ボクの神様なんだ。
楽しいときも、つらいときも、悔しくて泣いたときも、ロスに会えて嬉しかったときも。ルキはいつだってボクの側にいてくれただろう。
だから、神様。いつだって隣で手を繋いでくれる、ボクだけの、ボクたちだけの神様。

お誕生日おめでとう。愛してるよ、ボクの神様。

【っていう無自覚にルキたんに重たいものを持たせてしまうアルバさんとかね】

20150828








「アルバさん、私、お風呂行きたいから離してよ」
「え!?いや、ほら、あれだよ!ほら、な!なあロス!!」
「……」
「いだだだだ!!折れる!!アバラ折れるから!!」
「ロスさんにも怖いものってあるんだねえ」
「…こわくない」
「じゃあアルバさん離してあげなよ」
「……」
「もう!いじっぱり!」

20150829








「仕事に行きたくない」
「学校に行きたくない」
「意見が合うなんて珍しいこともありますね」
「たまにはいいだろ」
「もうっ!アルバさんもロスさんも朝からうだうだ言ってないで早く支度してよ!ロスさんは朝から会議なんでしょ!アルバさんもゼミの発表があるって言ってたじゃない!しゃきっとして!」

「いや、だって」
「…なあ?」
「だってもへちまもアバラもない!それでも私のお兄ちゃんなの!?私、もう学校行くからね!」
「待てルキ、オレも行く」
「ぼ、ボクも行くから!ふたりともちょっと待って!」
「…もー、ふたりとも私がいないとほんっとにダメダメなんだからなあ」

【っていうアルバトロスルキちゃん家族パロ 家族というかルキたん好きすぎて家から出たくないシスコンアルバトロスとなんだかんだと甘えられてるのが嬉しいルキたん かわいいね】

20150831








【つらい時期のロスさんとアルバさんのところに行くルキたんのお話が書きたい】

最初に降ってきたのはポップコーンだった。次の日は綺麗に咲いた花。次の日は虹色に輝く石。次の日は肌触りのいいシルクのハンカチ。
次々降ってくる、これは一体何だろうと不思議に思っても、それに見向きをしている余裕はなかった。降ってくるものに見向きをしなくなってどれくらい経ったのだろう。

ぽつり、ぽつりと雨が降ってきた。空は晴天。憎らしいくらいの青空なのに、どうしてかボクの真上にだけ雨が降る。
ぽつり、ぽつり。頬に当たったその雫を、何の気なしにぺろりと舐めてみる。しょっぱい。
まるで、涙みたいな味がするなあと思ったけれど、それに気を止めている時間はなかった。

20150831








私、大きくなったらやりたいことがあるの。眠そうに目を擦りながら、桃色の髪をした女の子がそう呟いた。
オレはそんな女の子の頭を撫でながら、やりたいこと?と尋ねる。ふふ、と笑う彼女は、いつもよりもゆっくりした速度で彼女の夢を口にする。
それを聞いたオレはなんだかたまらなくなって、彼女の瞼が完全に落ちるのを見届けてから外へと飛び出した。

走って、走って、走りながらむず痒くなって、同時に、少し羨ましくなった。
笑い出したいような、泣いてしまいそうな。そんな気分になったオレは、ただ、走る。目的地まであと少し。
走って、走って、ようやく今一番会いたかった彼を見つけて。

「私ね、大きくなったらアルバさんやロスさんを守ってあげたいの。ふたりともね、私の大切な人だから。かなしいことがあったら一緒に泣いてあげたいし、うれしいことがあったらふたりよりも喜んであげるの。ふたりがひとりぼっちになっちゃわないように、わたしがね、ずっと、いっしょに、ね…」

オレが守ってあげなきゃと思っていた親友のことを、そんな風に思ってくれてる人がいて。いつの間にか親友の世界には彼を愛してくれる人がいて。
それがたまらなく嬉しかったのだ。たまらなく寂しかったのだ。そして、たまらなく幸せだったのだ。
いつか、死んだと思っていた母親の墓の前でひとり、日記を読み上げていた彼の姿が目の前を過って、そうして消えていった。

大きくなった親友を、遠い昔のように抱き締めて、オレは少しだけ泣いた。ぐちゃぐちゃな胸の内を見透かしたように、親友は何も言わずに抱き締められたままだった。
言葉は一言も交わさなかったけれど、それだけで充分だった。

彼が生まれた日を覚えてる。大きくなって、初めてオレの名前を呼んだ日や、小さな手を繋いだ日や、三人で食卓を囲った日のことも、あの日のことも、全部全部覚えてる。
そんな彼が、オレの親友が、幸せであると知って、愛されていると知って、幸福な気持ちになったのは、空気の冷たい冬のことだった。

【ルキちゃんがシオンさんのこと大好きだって知って嬉しくなっちゃうクレアお兄ちゃんの話。】

20151204








目の前に小さな箱があった。中にぎゅうぎゅうに詰め込んだ。愛とか夢とか希望とか。そんなきれいで美しくてきらきらと光輝くものたち。
詰めて押し込んで、そうして蓋をした。ぎちぎちに詰まった箱は、今にも弾け飛んでしまいそうだ。
箱を抱えてみる。ずしりとした重さがある。

その重さがあんまりにも愛おしいので、ボクはそっと、いや、少し乱暴に、その箱を放り投げた。遠くへ遠くへ行ってくれと、力いっぱい投げつける。
愛おしすぎて、頭がおかしくなりそうだ。
箱が手から離れた瞬間、ボクは確かに、ひとつぶ、涙を落とした。箱はぐしゃりと音を立て、無残にも潰れた。

ぐちゃぐちゃになった箱の中から、愛とか夢とか希望とか。そんな愛おしいものだったはずの何かが、どろりと溢れ出した。ボクはそれをただ眺めた。
潰れてしまった小さな箱が、恨みがましくボクを見ていた。ボクはそんな視線から逃げるように、箱を踏み付ける。
もう二度とボクを見ることがないように。

ボクは見てしまった。
潰れた箱の中から、愛とか夢とか希望とか、そんなものをたらふく食べた、小さな小さなボクが、口から美しいものを吐き出しながら、ボクをじっと、じっと、見ている姿を。
ボクはしっかりと、見てしまった。ボクはその姿を見なかったふりをして、もう一度足を振り上げた。ぐしゃり。

そうしてボクは、今、箱の中にいる。

20160129








「ねこの日だぞー!がおー!」
「…そこはにゃーじゃないのか」
「甘いよロスさん!今時のねこはがおーくらい言うよ!」
「たぶん言わないと思うな!!」
「もう!アルバさんまで!夢がないなあ!」
「夢がないというかなんというか…」
「ルキ。ねこは何て鳴くんだ?」
「むむむ…」
「ルキ」
「……にゃあ」

「ロス。ロスさん。シオンさん。わかった。ルキが可愛いのはボクもわかった。破壊力あったのも認める。ねえ、だからさ、ちょ、あの、ボク、殴るの、やめて…っ!!いたっ!!やめ!!ちょっと!!!ロス!!!」

【自分で言わせたくせにいざルキたんににゃあにゃあ言われるとかわいすぎてアルバさん殴りながら悶えるロスさんを受信しました 完全にルキコンです】

20160222








【ロスさんの物理(攻撃)は愛情表現だからそのうちレイクくんにもデュクシするようになるのかなーと思うと大変微笑ましいですね】

「…デュクシ!」
「いてっ!もー!何すんだよシーた、ん…」
「……」
「……」
「…なんだよ、その顔」
「シーたんが」
「?」
「シーたんが!!遂に!!オレにもデュクシを!!」
「!?」
「母さん!聞いて!クレアでもいいんだけど!聞いて!!シーたんが!!オレに!!デュクシを!!」
「…やめろっ!」

20160223








【そうだ アルルキちゃんでシオンさん観察日記を付けよう】

今日はシオンがシシリーさんのことを母さんと呼んだ。
最初の頃から比べると大進歩だ。次はレイクくんのことを兄さんと呼べるようになってほしい。

今日はシオンがレイクくんとクレアさんと野球をして遊んでいた。
いつの間にかヤヌアさんやミーちゃんも混じってて楽しそうだった。
ところで、やたらとボクの方を目掛けてボールが飛んできたのは気のせいだろうか。

今日のロスさんはお母さん特製のホットケーキを食べていた。
とってもご機嫌。お母さんはそれを見てもっともっとご機嫌になってた。
私もママのホットケーキが食べたいなあ!アルバさんのホットケーキも捨てがたいけど!

20160223








「…勇者さん。起きてください、勇者さん」
「……」
「起きろって言ってんでしょ」
「ぅぐっ!…ん?あれ、ロス…?」
「はい。おはようございます」
「…えぇー…いま、何時だと…」
「深夜の1時半前くらいですかね」
「…わかってるじゃん…」
「まあまあ。そんな細かいことどうでもいいじゃないですか」

「…どうでもよくないよ、ボクの睡眠時間が削れるよ…」
「そんなことよりも大事なことがあるから、わざわざこんな時間に来てやったんです」
「お、おう…?」
「じゃあ、一度しか言わないですからね。一応言っときますけど、夢でもなんでもないですから。ちゃんと聞いててください」
「…うん…?」

「お誕生日おめでとうございます。あなたに会えて、本当によかった。あなたとの出会いが運命でも神様のいたずらでも。あなたに出会えたから、オレは今、ここにこうして立って笑っていられる。昔諦めたたくさんのことを、あなたがくれたんです。だから、ありがとう。あなたがオレの友達でよかった」

「…何泣いてんですか。オレ、もう帰りますからね。今日はルキとクレアも呼んで、あなたの誕生日パーティーをするんですから。さっさと寝てください」
「…うん、…うん…っ!」
「おやすみなさい、勇者さん。いい夢を」
「うんっ!おやすみ、ロス!またあとでな!」
「…はい。また、あとで」

【どこの時間軸でもどこの世界でも あなたの存在に救われている人がいるんです 夜に光が差し込む 本当に夜明けのような人 夜明けをもたらしてくれる人 アルバさんがアルバさんでいてくれてよかった ずっとずっと大好きです】

20160306











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