140 | ナノ




あんたはルキのとこ行ってください。
お前はクレアさんとこな。
プレゼント間違えないでくださいよ。
そんな初歩的なことしないって。
…勇者さん。
なんだよ。
これ見てください。
…ふはっ!プレゼントなんていらなかったかもしれないね。
こいつらが起きたらご馳走でも作りますか。

『アルバさんとロスさんとクレアさんとずっと一緒にいられればプレゼントはいらないです!』
『早く四人で旅に出たい!』

サンタクロースは願いを叶えてくれるわけじゃないっての。
シオン、耳真っ赤。
…煩い。

「「メリークリスマス」」

しあわせな夢を。

20131225








「アルバさんが泣いてるとこなんて久しぶりに見た」
「ボクも久しぶりにこんな泣いたよ」
「どうしたの?何か悲しいことでもあったの?」
「ううん、何も」
「じゃあどうして?」
「どうしてだろう。嬉しかったのかもしれない」
「嬉しかった?」
「うん。ボクの頑張りが報われて、ボクの願いが叶ったことが」

じゃあどうして一緒に行かなかったの。私はその言葉をぐっと飲み込んだ。それは言っちゃいけない言葉だと分かっていたからだ。
それを言ったらアルバさんは泣いてしまう。私はアルバさんには笑っていてほしい。
でもごめんね、アルバさん。あなたには言わないけれど、私はあの人に告げ口しに行くからね。

「アルバさんが泣いてた」
「…はあ」
「ロスさんのせいで泣いてた!」
「…はあ」
「もう!いい加減にしてよ!ロスさんのそういう鈍いところ嫌い!」
「どうしろって言うんだよ」
「どうもしなくていい!」
「はあ?」
「どうもしなくていいから!あの人が頑張ってたこと!泣いてたこと!ちゃんと知ってて!」

「ってルキに怒られたんですけど」
「…はあ」
「オレどうしたらいいんですか」
「ルキに謝れば?」
「あんたにじゃなくてですか」
「だってボクにはルキが何に怒ってるのか分からないし」
「あんたに分からないんだったらオレにだって分からないですよ」
「お前が分からないことがボクに分かるはずないだろ」

鈍ちん!二人揃って!ほんっとーに鈍ちんなんだから!もう!もう知らない!
今度という今度は私だって怒ったもん!しばらく口聞いてやんないもん!
二人が自分のこと大事にするまで、相手を大事にしすぎなくなるまで、絶対に絶対に口聞いてやんない!
私は二人とも大好きなんだから!魔王なめんな!ばか!

「ってルキちゃんが怒ってたんだけど」
「「……」」
「二人とも何したの?ルキちゃん泣いてたよ」
「…何も」
「…何もしてないです」
「ふーん。じゃあ何も言ってないんでしょ。だからルキちゃん怒ってるんだよ」
「「……」」
「謝ってきたら?そんでちゃんと話してきなよ。女の子泣かすなんて最低だぞ!」

「……」
「ルキ、あの…」
「…ルキ、こっち向け」
「…やだ」
「ルキ」
「やだ!やだやだ!ばっかじゃないの!アルバさんもロスさんも!ばか!ほんっとばか!私がどれだけ二人のこと好きだと思ってるの!私も仲間なんだから!私も、私も一緒に…っ!」
「うん、ごめんね」
「悪かった。…だから泣くなって」

【端的に言えばあるばとろすがお互いばっかり大事にしてることが気に食わないるきたんが書きたかった のだと思う】

20131228








「むむむむ」
「ルキちゃん?何してるの?」
「テレパシー送ってるの!」
「へえ!誰に誰に?」
「そんなのアルバさんとロスさんに決まってるよー!一緒にこれ食べたいから早く休憩時間にしてよー!って!」
「マジかよ!じゃあオレも一緒にテレパシー送るぜ!」
「うん!せーの!」
「「早く出てこーい!」」

「…お前ら何してんだ」
「あ、ロスさん!」
「ルキちゃんすげー!テレパシー通じた!」
「へへん、でしょー?魔王様だからね!」
「魔王様はテレパシーが使えるのかー!じゃあオレも目覚めるかなー!」
「訓練すればクレアさんも使えるようになるよ!」
「…いいから早く休憩にするぞ」
「「はーい!」」

【るきたんとくれあさんはテレパシー(アルバトロス限定)の特技を覚えたらいいよ!】

20131231








去年は一年間とってもお世話になりました。アルバさんやロスさんのおかげで私はとっても楽しい一年を過ごせました。
パパもママも帰ってきて、妹もできました。とても嬉しかったです。
今年も私の大好きな人たちが健康でいて、たくさん笑って、幸せでありますように。よろしくお願いします、かみさま。

「ルキちゃん、お参りすごく長かったね。何をお祈りしたの?」
「内緒!アルバさんは何をお願いしたの?」
「…笑わない?」
「それは保障しないけど」
「うっ」
「いいから早く!」
「ルキやロスが一年間楽しく過ごせますように、…って…」
「ふふっ」
「わらっ…!」
「私も一緒だよ!アルバさん!」

20140101








「…ふえ…っ」
「え!?なに!?どうしたのルキ!?」
「勇者さんなにルキのこと泣かしてんですか通報しますね」
「ちょっと待ってまだボクのせいだって決まったわけじゃ…!」
「滲みるよおお!もうやだあ!痛いよう!」
「え!?ほんとにどうしたの!?」
「こーないえん…」
「へ?」
「口内炎が痛いの…」

「こ、口内炎…?」
「どこにできたんだ?」
「ここ…」
「うわあ、結構大きいね。ずっとできてたの?」
「うん…」
「何でこんなになるまで放っておいたんだ」
「だって…こんなことで言うの悔しかったんだもん…」
「そっかあ。よく我慢したね、偉かったね、ルキ」
「ふえ、あ、あるばさん…っ!痛いよお!」

「ルキ、これやるよ」
「なあに、これ」
「さあな。食べてみれば分かる」
「あまい…」
「あ!よかったね、ルキ!それ、魔法の飴だよ!ボクももらったことある!」
「魔法の飴?」
「まだ滲みるか?」
「…滲みない…っ!」
「これでもう大丈夫だろ」
「痛くない!すごい!ロスさん、アルバさん!ありがとう!」

【ふぉろわさんの口内炎が早く治りますように!】

20140101








【今日のマイブームはガラスとろすあるきくれあちゃん ガラスの箱にろすあるきくれあちゃん詰めたい】

何も聞こえない空間で、ただ世界が見えていた。
透明なガラスを挟んで見る世界はそれでも澄んで美しく、箱の中の小さな世界が嘘のようだった。
四方を囲むガラスは頑丈で窮屈で、殴っても蹴ってもびくともしない。
いつからかその箱の中が自分の世界で、透明なガラスは今日も世界との接触を許さなかった。

箱の中で考える。いつからこの箱の中にいるのだろう。小さなガラスの箱の中で、自身を守るように膝を抱えて蹲る。
外の世界はあんなに美しいのに。青空はあんなにも澄んでいるのに。ガラスの箱の中では手を伸ばすことも出来ないのだ。
なんてつまらない世界なんだ。ガラスはただただ静かにそこに在った。

ガラスの向こうに焦がれて、待ちわびる。誰かこの箱を壊してくれないだろうか。
そんなことを、太陽の訪れを、外の音を、名を呼ぶ声を、手を引く誰かを、焦がれて、待ちわびて。そうして今日も、ガラスの箱の中でひとりきり。
うつくしいそれに閉じ込められた彼の人は、ガラスの向こうを夢見て眠るのだ。

20140102-03








さようなら、という言葉が嫌いだ。また次があるのに。また会えるのに。
どうしてそんなに寂しい顔をして手を振るのだ。さようなら、と言いながら、追い縋っている癖に。掴んでくれと泣いている癖に。
さようなら、と笑うお前は、一等嫌いだ。さようなら、と人を突き放すお前のことが、大嫌いだ。

20140104








「ねーシーたん。パパさんのこと好きだった?」
「なんでそんなこと聞くんだ」
「なんとなく」
「…嫌いだったら、あんなに必死になったりしない」
「だよねえ。シーたんは絶対パパさんのこと好きだと思う」
「そういうお前はどうなんだ」
「へ?」
「お前はちゃんと、オレたちのことを家族だと思ってたのか」

「…うん。当たり前じゃん」
「嘘つけ」
「……」
「オレもあいつも、お前のことは家族だと思ってた」
「そうなんだ」
「そうだ。だからオレたちは今でも家族だ」
「へ?」
「オレはお前を家族だと思ってる。だからお前もオレのことを家族だと思え」
「いいの?」
「お前が遠慮とか気持ち悪い」
「シーたん…!」

20140105








「ルキ」
「なに、ロスさん」
「ちょっとこっち来い」
「どうしたの…ってわあ!」
「……」
「ひょっとしてロスさん、寒いの?」
「…苦手なんだよ」
「…ふふっ!」
「…笑うな」
「ロスさんにも可愛いところあるんだね!仕方ないからこの魔王様があっためてあげるぞよ!」
「はいはい。黙って湯たんぽしとけ」

【あるるきちゃんもくれるきちゃんもかわいいけど個人的にぎゅっぎゅしてて一番かわいいのはろするきちゃんです】

20140107








「初めましてこんにちは」

そう言って笑ったのは桃色の髪の女の子。オレよりも随分と低い位置にある彼女の大きな目がこちらを真っ直ぐに見ている。

「おかえりなさい。待ってたよ」

ふわりと微笑んだ女の子はそれだけ言ってぱたぱたと親友と勇者の元へと駆けていった。

「あれ」

心臓が煩いのは何でだろう。

【くれるきちゃんきゃわいい】

20140111











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