Let's モニタリング!!×キセキ

!とある番組のパロ、かっこいい赤司征十郎様なんて存在しない!
!取り敢えずもう、何か酷い!


「こんにちは、本日はよろしくお願いします」

「よろしくお願いします!」


なんでもない、何も特別でも何でもないいつも通りの平日。でもそれは、何も知らない赤司征十郎だけである。…何故なら。


「ああああー!赤司っちどんな反応するんスかね!?」

「でも赤司なら平然とこなしそうなのだよ」

「楽しみだな」

「ではこのあと、皆さんには一度体育館に行って通常のメニューをこなしてください。そのあと、何かしらの理由をつけてすんなり抜けてきてください」


本日の部活はいつも通りにメニューをこなし、試合に向けて練習するだけではない。とあるテレビ番組、"ニ○ゲン観察!モニタリング"にキセキの世代として出演することになったのだ。そしてそのターゲットになったのが強豪校として知られる帝光中学の主将、赤司征十郎なのである!

赤司にとっては授業が終わり、平常練習に切り替わる今、赤司以外のキセキの世代である黒子、黄瀬、緑間、紫原、青峰、桃井がスタッフに集められ部室ではない別室でこの後の流れの説明を受け、赤司がどんな反応をするのか楽しみだという話でバレない程度に小さく盛り上がる。


「やっべ、俺キンチョーしてきたw」

「の割には顔がニヤついてるよ、頼むから台無しになんてしないでよね、青峰くん」

「俺も気になるな〜」

「まあでも、大体予想はつくっスよね」

「どうでしょう?なんて言ったって僕らの可愛く主将ですから。予想外な反応かもしれないですよ」

「…地上波で全国放送されて、イメージが壊れないといいのだよ」


楽しみなのと緊張で気持ちがごっちゃになっているのか青峰の顔は凄いニヤつき具合で、自分も赤司の反応が見たいからそんな青峰にぶち壊されたくないと思う桃井はそんな青峰に釘をさす。そして相変わらずお菓子をボリボリと頬張りながら自分も気になると楽しみにしている様子の紫原に、どんな反応になるのか確かに楽しみだけど赤司っちだと想像し易い気がするっスと首を抑えながら苦笑いする黄瀬。しかしそんな黄瀬に可愛い僕らの主将だからどんな反応でもいい、とにかく可愛い赤司くんが見たいと少しみんなと違う意見を持つ黒子に、強豪校の主将の厳格なイメージが崩れないかと心配する緑間もみんなと同じように制服から練習着に着替える為に部室に向かう。



「あ、赤司くん」

「どうした、黒子?」

「ちょっと先生に呼ばれていた時間になったので少し外しますね」

「分かった。」


トップバッターはどうやら黒子みたいだ。"先生に呼ばれた"といかにも黒子らしい理由をつけて、一番に別室へ入ってきた。

続いて、


「ちょっときーちゃん!今突き指したよね!?保健室でテーピングするから行こうっ」

「いってぇ…赤司っち、ちょっと桃っちに手当てしてもらってくるっス」

「大丈夫か?早く手当てしてやれ、頼んだぞ桃井」

「すんませんっス…」


前もって打ち合わせでもしていたのか、黄瀬が突き指をし、桃井がそれを手当てするという設定で二人して別室に抜けてきた。

次は、


「赤ちんタオル取ってくるね〜」

「まだ練習中なんだから、走って行って来い」

「わかった!」


タオルを部室に忘れたというなんとも適当すぎる理由をつけて部室に走ってタオルを取りに行くと見せかけて別室に向かった。

そして最後は、


「やべえ着替え忘れた。誰か持ってねえかな…あ、緑間着替え予備ねえ?」

「一応あるが…貸せと言うのか」

「ああ。この汗だくじゃあ練習に集中できねえよ」

「仕方がないのだよ。赤司、すぐに戻る」

「お前らまでか!?え、なんかみんな忙しくないか?…気のせいか?俺だけ?」


着替えを忘れた青峰に貸す緑間という設定で何とか自然に抜け出そうとしたのだが、どうやら一度にこうしてキセキの世代が抜けてしまうと不自然に思ったようで一軍の体育館にキセキの世代だと呼ばれる人物が自分一人になってしまったと気付くと少し取り乱している様子である。


「あはは、赤司っちキョロキョロしてるっス!w」

「可愛いです、可愛いです赤司くん!」

「やっぱり不自然だったかな〜?」

「ではこの後に、一番めの仕掛けをしたいと思います」


そのスタッフの掛け声により、モニターに目を向けるよう促された。そして六人は言われたままモニターに目を向けると、何故か続々と赤司に各々適当すぎる理由をつけて体育館をあとにしようとする。


「キャプテン、トイレ行ってきます」

「赤司、俺も」

「ちょっと部室に忘れもんした」

「赤司くん二軍の体育館に行ってくるね」

「あ、三軍の奴に用あったんだ」

「紐が切れた」

「着替えてくる」

「あっ、おい!お前たちどこに行くん…だ…よ………、」


ぞろぞろと揃いも揃って出て行ってしまった部員を誰一人として捕まえることができず、一人取り残された赤司は辺りを見回してどうしようかとキョドっている。うっすらと汗をかき、バスケットボールを両手で大切に包んでいた赤司はついに固まってしまった。


「…え?赤司っち固まったっスけど」

「ちょwかなり予想外なんだけどwwww赤司止まったぞオイwww」

「え、え!?赤司くんどうしちゃったの!?」


止まったまま動かない赤司の姿に驚きを隠せないでいるキセキの世代。まさか、まさかあの赤司が止まるとは誰も予想できなかったようである。
ズームしてさらに抜かれた赤司の表情は、まさに呆気にとられたようで口をポカンと開けて息をしているのかさえも正直分かり辛い。

しかし、その赤司が動いた。センターラインから突然シュートを放ったのだ。そして決めて一言。


「俺のシュートは、落ちん。…ちん」


思わず別室でモニタリングをしていた赤司以外のキセキの世代、そしてスタッフまでもが言葉を失い、場が一気に凍りついた。

ー誰も、何も言えなかった。数秒、誰しもが息をするのも忘れていた頃、緑間が立ち上がって大声で、そして大きなジェスチャーで訴えたのだ。


「カット、カァットオオオオオオオオ!!!!!こんなもの放送できるわけがないのだよ!これはダメなのだよおおおおおおおおおお!!!!!!!」


だが緑間の必死の抵抗も虚しく、この瞬間に居合わせていたディレクターも編集者も誰しもがこれは使う、と確信したのだった。


「ああ…赤司くん素でこういうことするから困りますよね、」

「これ地上波とか赤司死亡フラグw」

「wwwww赤司っちェ…wwwwwwwww」

「もうやだこの主将…w」

「赤ちん一人のときこういうこと普通にやるからねーw慣れたけど慣れないww」


この後本当に地上波で全国放送され、あの強豪校で知られる帝光中の主将の本性がああだと知った他の強豪校や赤司に憧れを抱いていた人たちは幻滅するとともに、わけのわからない萌えに苦しんだのである。そして放送を期に自分が撮られていたことを知った赤司はそれまで誰も教えてくれなかったことに対しても、あんなことをしてしまった自分に対しても怒り、猛烈に反省したのだった。


「…俺、もう学校も外も出たくない。ましてや、試合なんて主将として出れないじゃないか…!!!」


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gdgdになったので強制終了。
いや、衝動書きってよくないですね、うん。←




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