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「馬鹿言え、これでも医者の卵だぞ。体調の良い悪いくらい見りゃあ分かる」
そう言われてベッドに寝かされたのはどれくらい前だったんだろうか。少々痛む頭をゆっくりとおこしてあたりを見回す。ここはレオリオの部屋、だろう。(すくなくとも私の部屋ではない)
残すは最終試験のみとなったこのハンター試験でどうやら熱をだしたらしい。「疲れがでたんじゃねーの」ってレオリオは言っていたっけ。
……そういえば今は何時なんだろう。
「お、目覚めてるな」
「レオリオ、ごめんねなんか」
「いいって。ゴン達と一緒じゃ騒がしくって寝りゃしねーだろ?さっきも心配してたぜ」
「そっか」
「それよりどーだ、熱」
ふわり、とレオリオのあのオーデコロンの香りがしたかと思えば額に手をあてられる。大きな、優しい手。
「レオリオ、手おっきいね」
「そりゃナマエよりはな。まだちょっとあるな」
「でももう平気。看病してくれてありがとね」
「だめだ、もう少し寝とけ。あとこれ食って薬のんで、熱さがったらにしろよ」
「レオリオ、お医者さんみたいね」
「はは、まだまだ勉強中だけどな」
レオリオはちょっと照れくさそうに笑いながらいびつにカットされた林檎をくれた。甘酸っぱい林檎特有のにおいがする。
「ほれ、あーん」
「もう!自分で食べれるよ!」
「なんだよ、いいだろちょっとくらい」
「〜〜!!食べればいいんでしょ!食べれば!」
差し出された林檎をしゃく、と音をたてて噛めばあふれる果汁が口いっぱいにひろがる。
喉の乾きまで潤される。おいしい。
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