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    「可愛すぎること言ってんじゃねーぞ!俺がせっかく我慢してんのによ!?」
    「?」
    「どきどきしすぎて。ってなんだよそれ…ったくどきどきくらい、俺だってしてんぞ」
    「え……」


    抱きしめられたまま、レオリオの胸元に耳をぴとりとつけて、耳をすます。どくどくと、ちょっと速い心音が聞こえる。
    なんだ、私だけじゃないんだ。不思議と、その音を聴いてると心が落ち着いてきた。レオリオの腕が離れそうになるところで、私も彼の背中に腕をまわす。


    「ナマエ?」
    「どきどきしてるの、私だけじゃないんだね」
    「そりゃ、好きな女とこうして二人きりで?距離はこんな近くて?どきどきしないわけねーだろ……」
    「……レオリオ、」
    「なん、だ……」


    ちゅ、


    「キス、いいよしても」
    「〜っ、……嫌がってたくせに自分からするのは反則だろ……」
    「したいな、って思ったから。ね、だから、いいよ」
    「じゃあ、遠慮なく」


    おんなじ気持ちなんだって思ったらすごくすごく、素直になれた。彼のドキドキしてる心音をきいたらなんだか、とても愛しくなって、気づいたら自分からしてた。

    何度か唇を重ねながら、やっぱりレオリオが好きだと改めて実感した。優しい表情をする彼の顔が再び近づくのをみて私も目を閉じた。


    「好きだよ、レオリオ」
    「……知ってる」



    (キスと心音 end)




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