そ ら の ひ と 全く、君はこんなところばかり鈍いから困る。 君が泣いているのに僕が気付いていないとでも思った? ……思っているんだろうなぁ。 やれやれだ、全く。 ** 君は、正義の前に愛が立つんだろう。 僕等のプリンセスだっていつも言っていたじゃないか、“愛と正義の”戦士だ、って。 それだけじゃない。あの可愛い内部戦士たち、プリンセスの娘に彼女の王子様、それにこの僕だって、そう考えるからこそ悲惨な現実と闘える。きっとほたるだってそうで、せつなは愛の前に正義が立つのだと言い張るかもしれないけれど、それだって複雑な彼女の詭弁でしかないだろう。 ああそうか、僕は――極論すれば先程の通り、愛の前に正義が立つのか。 戦士としての使命。 いとしいこの星。 愛する君を失っても、そう。 ** 平気じゃないくせに。 ひとつだって、平気じゃないくせに。 そのたび繊細な君の心は悲鳴を上げるというのに。 確かに君ならやってのけるだろうね、微笑みすら称えて……そう、優雅に。 だからってお願いだみちる、君のそのやわい心を蔑ろにする行いは、もうやめてくれないか。 --ブラウザバックでお戻り下さい-- |