※3Z





俺の妹は世界一。否、宇宙一可愛いだろう。これは、昔からずっと思っていることだ。現に可愛いし。


俺に良く似た髪の色。瞳の色。こんなにも似ているのだから顔はもちろん美形だ。良く食べるし、明るい。それと、弱いけど体力だってそこそこある。スポーツ神経は女子の中ではそりゃあ優れているだろう。その容姿と性格から神楽は幼い頃からそれなりにモテていた。頭は残念だったが。




俺より弱い男にこんなに可愛い神楽をとられたくない。そんな気持ちでいっぱいだった矢先に神楽は中国から日本へ行った。もちろん、俺も兄として追いかけた。


中国と違って日本では流石にそこまで神楽はモテないだろうと思った。むしろ、俺達の髪の色や瞳の色を見て避けるだろうと。がしかし、逆だった。神楽と二人で出かけると俺が目を離した隙に神楽に男共が寄ってたかっていた。


正直、神楽に変な虫はついて欲しくない。可愛いのだから仕方はないが。だから、神楽が新しい高校に編入する時にあることを考えた。







「兄ちゃん。大丈夫アルか」


「うん。大丈夫。可愛いよ」




神楽の格好は新しい学校の制服を着ているだけだ。どこも可笑しいところはない。





「じゃあさ、後これはいて、これ着けてくれない。俺からのプレゼントで」


「プレゼント?」





神楽は不思議そうに俺から預かった袋をあけた。これは、俺のために買った神楽がスカートの下に履く予定のジャージと彼女の特徴的な瞳を隠すための瓶底のだて眼鏡である。





「それをしっかりつけて学校行ってね」


「はぁ」


「もちろん、俺以外の男と喋っちゃダメだからね」




何故かって。少しでも君と俺以外の男とが関わらないようにするためさ。








2012.08/16



君を隠すために
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