今日、私は地球を離れる。このことは、銀ちゃんにも新八にも誰にも言ってない。約束の時間まで後20分。銀ちゃんがぐっすり寝ていたのを確認して私はそっと万事屋から出た。
持ち物はこの番傘だけ、他に何もいらない。他にいるとしたら彼しかいらない。そんなことを考えて夜の街をかけていると約束の場所についた。
「ギリギリセーフだね」
「兄ちゃん」
そこには、兄ちゃんがいた。私は急いで兄ちゃんの側にいった。
「いいの。お侍さんたち」
「…大丈夫アル」
「ふーん」
兄ちゃんは、私に抱き着いてきた。なんだか凄く落ち着く。銀ちゃん達から離れるのは辛い。だけど、兄ちゃんとこれからずっといられるなら、そっちの方がいい。
「次、お侍さんと会う時は敵同士かもよ」
「覚悟はあるネ…」
「阿伏兎に神楽の部屋、用意させといたから」
「うん」
「もう、離さないからね」
「うん」
私は差し出された兄ちゃんの手を強く握って、地球から離れたのだった。
二人の影は暗闇の中に消えて、未明には地球をとっくに去っていたのだった。
2012.09/23
愛は共に闇に消え