05


それから、週末がこようとしていた。


「あっ、部活の入部の紙は今日のそれぞれの部活の集まりで顧問に提出な」


神楽は今だ紙とにらめっこをしていた。入りたい部活も特に何もない、中学でやっていた柔道を続けても良いがこの学校には柔道部は存在していなかった。


「じゃー今日はこれで終わりなぁ」

銀時が教室からいつものように出て行った。


そして、神楽は紙にとある部活名を書いて、鞄を持ち教室から出た。高鳴る鼓動を抑えて、ある場所に向かっていた。


数分して着いた先は先日、新八に進められて来た剣道部の練習場所であった。神楽は見学に1回しか行かなかったものの何故か剣道に惹かれていた。以前からマネージャーという役職にも興味があったのも事実だ。
そのため、彼女は剣道部の集まり場所である此処へ来たのだった。


しかし、来たものは良いものの中に入る勇気がなかった。前は妙がたまたま居たから良かったものの今回は居なく、一人で入るしかないのだ。

神楽は緊張しながら意を決して中に入った。






「あら!神楽ちゃん」入ると妙の声が聞こえた。

「姐御っ!」

神楽は妙にすぐ近寄った。

「神楽ちゃんはマネージャー希望!?」

「うん」

神楽がそう言うと妙は胸をなでおろした。

「良かったわ、神楽ちゃんが入ってくれて」

妙は神楽を見てニッコリ微笑んだ。神楽もそんな妙を見てつられて笑ったのだった。

そして、妙に促され床に座った。

「姐御、剣道部って何人居るアルカ?」

「んー、3年生が3人と2年生が8人よ、それから今日から入る1年生」

「意外と居るアルナ!」

そんな話しをしていると、ぞろぞろと剣道部の先輩や入部希望者が入ってきた


そして、神楽は聞き覚えのある声を聞いた。


「あり、その頭…神楽じゃねぇかィ」

この声は…
そう思い神楽は後ろを振り向いた

「そーごっ!」

神楽は驚いた。まさか隣に住んでいる世間で言う幼なじみが高校でも剣道部に入っていたとは知らなかったからだ。

「神楽ちゃん、沖田くんと知り合いなの?」

その様子を見て妙は神楽に聞いた

「うん、知り合いネ」

神楽は沖田から顔を逸らし、妙に答えた。答えた時、銀時が入って来た。



「おー、結構居るな」


銀時は集まったメンバーを見て言った。
部結成で集まったメンバーは、3年生3人、2年生8人、1年生6人であった。それに加えマネージャーの妙とマネージャー希望の神楽であったのだ。

「じゃあ、とっとと入部希望の紙出せぇ」

銀時は床にあぐらをかいて座り、紙を集めさせた。


「よし、じゃあ全員出したな。えーと、新体制で頑張るように。あと、1年はサボらないように」

銀時はだるそうに集めた紙を見ながら言った

「じゃあ、めんどくさいし、顔合わせってことだから今日は練習なしで帰っていーぞ」

銀時は立ち上がりながらそう言い、その場から去った。


彼が去っていったあと、神楽は目の前にいる幼なじみを、ぼーっと見ていたのだった。




2012.01/03 執筆
2012.09/14 修正




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