02
春風が気持ち良く吹いている。
此処、銀魂高校1-zでは自己紹介を
していた。


「えっと神楽アル!部活はー決まってないネ。みんなよろしく」


「はい次ー」

「僕はー」


初めて見た顔や、中学から知っている顔が沢山いる。


「じゃあ最後は俺なぁ。君達の担任、坂田銀時。教科は国語、一応、剣道部顧問。好きなアナは結野アn「先生、聞いてません!」言わせろォォオー」


神楽は何となくそんな話を聞きながら、晴れ渡っている空を見た。


「じゃあ、今日はこれで終わりな。しっかり決めるようにー」


ボーっとしていたら、時刻はいつのまにか15:00になっていた。





「神楽ちゃん、久しぶり!」

ふと懐かしい声が聞こえた。眼鏡をかけた少年が神楽に喋りかけてきた。

「おっ!新八アルか!中学ぶり、元気だったカ?」

「うん、まさか一緒のクラスとはね。そういえば部活決めた?」

新八は中学時代から変わらない様子の神楽に苦笑いしながら、彼女と話しはじめた。

「部活って?」

「あれ、聞いてなかったの?部活動、今週中に決めないといけないんだって」

「まじでか!眼鏡は入るアルか?」

「眼鏡じゃないからァー!…僕は入らないかなぁ。姉上がマネージャーやってるし、家のこともあるしバイトしようかな」

新八は幼い頃に母を亡くし、そして、父親をちょうど1年前に亡くしていたのだ。
その事は中学時代、同じクラスだった神楽はもちろん知っていた。

「…そうアルか」

「ううん、神楽ちゃんは気にしなくていいよ」

少し顔を伏せた神楽に、新八は笑ってこたえた。

「それより神楽ちやんは、まだ部活決まってないんだよね」

「そーヨ」


神楽がそうこたえると、新八は神楽を見てある紙を渡した。


「じゃあさー」



* * *





「此処アルか」


神楽は1人校舎から離れた少し古い建物の前に来ていた。何故そのような所に来ているのかというと、先程、新八から貰った紙に此処への地図が書かれていたからだ。

神楽がどうしようと辺りを見回していると、急に声をかけられた。


「神楽ちゃん…?」

それは、中学生の時に聞いたことのある声だった。

「あっ姐御!」神楽が振り向くと、中学生だった時の2個上の先輩で同じ柔道部だった先輩、志村妙がいた。


「やっぱり、神楽ちゃんじゃない久しぶりね」


「うん、姐御も元気だったアルカ?」


志村妙は中学からの同級生、志村新八の姉である。神楽は妙を中学生の時から彼女を慕い゙姐御゙と読んでいた。

「えぇ、そういえば、神楽ちゃんどうしたの?こんな所で」

「そうだったアル!新八に部活決まってないって言ったらじゃあ此処に行けって紙貰って…」

神楽は新八から貰った紙を妙に見せた。

「そうだったの神楽ちゃん見学していかない?」

「見学?」

「そう」

妙は笑顔をみせた。

「そう、今ね剣道部のマネやってるんだけど人手が足りなくて…神楽ちゃんがいいならマネやってもらいたいなーって」


そう言い妙は神楽に手招きし、古い建物の中に入るよう促した。








 「1、2、3…」


中では剣道着を着た、部員が竹刀をふっていた。
剣道は見たことはあるが近くで見るのが初めてであった神楽は一人一人の真剣な表情に目を奪われていた。

そんな中、竹刀をふっていたゴリラに似ている一人の男子生徒がこちらを見たのだ。そして、


「お妙さぁぁん!」


息なり妙目掛けて走り始めたのだ。これには神楽も驚いた。

「しっかり練習しろォォオー」

驚いていると妙がゴリラに似ている人に回し蹴りをしていた。

「ごめんね、神楽ちゃん変なの見せちゃて」

そう言う妙の下には、ゴリラに似て(以下略)が気絶していた。

「だっ大丈夫アル!」

神楽は一人、心の中でさすが姐御…と思っていた。

「そういえば、お妙さん、そちらの方は」

いつの間にか気絶していたはずのゴリラが起き上がっていた。

「あら、もう生き返ったの?この子は中学の後輩の神楽ちゃん。今日は剣道部のマネの見学に来たのよ」

「よっよろしくネ」

神楽は一応、ゴリラに向かって軽く会釈をした。

「そうか、まぁ見てってくれ。今は2年生が何人かいないけど楽しい部活だから」

「分かったネ!ゴリラ」

「いや、ゴリラじゃないからァァアー」

神楽は、このゴリラいい人そうだなと思い笑顔でこたえたのだった。












2011.12/30 執筆
2012.08/01 修正




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