短編 | ナノ



転生記憶有り設定です。色々捏造なのでお気をつけて。


5時間目の眠たい時間にまさかの数学。周りを見渡せば生徒達は皆突っ伏している。眠いよね。うん、僕も眠い。でもこのままじゃ卒業できないから、僕は起きてなきゃ。面倒な気持ちから空を見ると、今にも雨が降りそうな曇り空だった。こんな日は嫌なことを考えてしまいそうだ。

もし、もし僕が千鶴と会えてなかったら、なんて。

僕の世界は千鶴が全てと言っても過言ではないほど、千鶴でいっぱい。高校で千鶴に会う前は、世界がなんだか白く見えていた。土方さんや一くんとかに会えてたらまたちょっと違ってたのかもしれないけど。

『あっち』で千鶴から離れるとき、もう2度と手を離さない、って決めた。
僕の願いが通じたのか、結構待ったけどまた帰ってこれた。今度は平和な世界で、前より幾分か体の強い僕になって。

でも千鶴は僕と出会って幸せだったのかな。

僕は千鶴を置いて先にいってしまった。残された千鶴がどんな感じだったかは知らない。もしかしたら僕の後を追ってしまったのかもしれない。それとも、別の誰かともう1度結婚したのかも。あ、でもそれだったら嫌だなぁ。
僕よくわかんないんだけど、『残される』っていう気持ちって、きっとつらいんだよね?つらくて忘れたいんだけど結局忘れられないんだよね?だったら千鶴は僕に会いたくなかったのかもなぁ。頑張って忘れようとしたのに、またいるんだもんね。

それに、『昔』のことなんか忘れて『今』に新しく別の恋人をつくった方が良かったのかも。
いつまでも過去に縛られたくないってよく言うもんね。
僕はそんなことないよ。ずっと千鶴だけだから。

考えれば考えるほど気持ち悪くなってきた。あーあ、後で千鶴に聞いてみよ。


結局聞いちゃう沖田くん。でも聞くのに凄い時間かかりそう


by.マリーゴールド