短編 | ナノ
最近、僕にはおっきな、おっきな悩みがあるのです。
「ち〜づるちゃんっ」
「ひょわああっ!い、いきなり抱き着いて来ないでくださいよ!」
「え〜だって千鶴ちゃん可愛いんだもん」
「もうっ!心臓に悪いこと言わないでくださいっ」
あれ?僕、本気で言ってたんだけどなぁ…。
千鶴ちゃんが入学して早3ヶ月。千鶴ちゃんにアタックし始めてからも3ヶ月。
こんなにわかりやすくアタックしてるのにも関わらず今だに気づいてくれない。
むしろ千鶴ちゃんの周りの人の方が気づいてると思う。
いい加減この微妙な関係をやめようって思ってるんだけど、なんかさ、怖くて。馬鹿らしいよね。フラれて話してもらえなくなるのが怖いなんて。
何もなかったようにするにしても千鶴ちゃんは優しいから気にするに決まってる。
でも…、…もうやめた。
「千鶴ちゃん、ちょっと来て」
緊張のためか少し強引に呼んでしまった。
「あのさ……」
ああもう、そういうきょとんとした顔しないで。可愛すぎるんだから。心臓に悪いよ。
「僕、千鶴ちゃんのこと好きなんだよね。それもずっと前からさ」はやく…、早く答えてよ。
告白って凄いドキドキするんだね。ああ逃げたい。
断られたらどうしよう。もう抜け殻状態だね。
ー私もです
小さく聞こえたその声の主を見ると、僕よりも真っ赤になってて、よかった。嘘じゃないんだなぁって思った。
20110722
家出
ネタがない。駄文に磨きがかかってますよ奥さん
by.家出