短編 | ナノ


「はじめくん、はじめくん!海だよ!皆水着着てるよ!」
「それがどうした」
「女の子も着てるよ!」
「それがどうした」

「…はじめくんって男じゃないよね。絶対健全な男子高校生じゃないよね」
「何故そう思う?」
「『普通だったらもっとテンション上がるもんだろ!?』って思ってるんでしょ」
「げっ、そ、総司」
「僕は上がらないけどなぁ。
あ、もちろん千鶴ちゃんは別だけどね」
「俺だって千鶴だったらもっとテンション上がるし」
「…俺もそう「平助はテンションあがっちゃダメだよ?」
「痛い痛い痛い痛い痛い!
わかりました!嘘です!冗談です!ごめんなさい!」
「わかればいいんだよ〜。
あ、一くん何か言った?」

「………いや、別に」
「ふ〜ん。あっそ」

「なあなあ。ど〜でもいいんだけどさぁ何か俺ら女の子に見られてね?」
「きた。『俺別に興味ないんです』的なこと言ってるけど、本当はめっちゃ気になってるパターンだね」
「ち、ちちちちげーしっ!」
「いくらなんでも流石にどもりすぎだろう」
「はい、認めた〜」
「みみみ認めてねーし!」
「焦りすぎだ」「うん。僕もそう思うよ。
でもさ、女の子達は平助見てないよ?」
「………え?」
「一くんとか僕の方見てるんだよね。悪いけど」
「………え?…日本語でお願いします」
「見てない 平助 見てる 一くん 僕 」
「何語だ、それは」

「ははっ。これ、なんかデジャヴュだよな」



補足
→誰も千鶴ちゃんとは付き合ってない。いわゆる千鶴ちゃん逆ハー状態