好奇心からの出来事


この時間になると奈々詩は曹丕から書類を受け取り、いつも通り自分の上司の元に持っていく。
部屋の前に着くと一声掛けて戸を開ける。
しかし広がる光景はいつもと違っていた。
彼は執務を行う机に居なく、少し離れた場所にある長椅子に腰を掛けて
肘おきに肘をついて手で顔を支えるように寝ていた。
普段の彼からは想像出来ない出来事に奈々詩は興味津々でいた。
そっと書類を机に置く。

「司馬懿様、書類置いておきますね」

そう声を掛けても起きる気配がないので奈々詩は司馬懿の隣に座り、顔をまじまじと見る。
いつもは目が合うだけでもドキドキしてしまって、たまらなくなり、自分から目を反らしてしまっていた。

だが今は違う。彼は寝ているのでじっくりと見ることができる。
肌は白く、睫毛がよく栄えている。
やはり彼は綺麗という言葉がぴったりだと思った。
それから手をおそるおそる彼の顔に近づけて、包み込むように頬に触れる。
なめらかな手触りにいつまでも触りたいと思ったが
今、自分が司馬懿にしていることがどういうことなのかを冷静に考えて、次第に恥ずかしくなってきた。
ぱっと手を司馬懿の頬から離すと同時に手首に違和感を感じ、視界が一変する。
いつの間にか奈々詩の視界は天井を向いていた。



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