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どこから溢れてくるのだろう


行場なんてどこにもないこの感情は


どこへと向かえばいいのだろう


正体不明のもやもやを抱えた私は




ゴミはゴミ箱
小物は小物入れ
本は本棚


すべての物には入れ物がある 返す場所がある
私自身にも帰る場所がある


それなのにどうしてこのもやもやは
私の中から溢れ出た正体不明のもやもやには


帰る場所も入れ物も 何もないのだろうか


すべての物には入れ物がある 返す場所がある

このもやもやに入れ物はない 返す場所はない

どこを探せば見つかるだろうか
どこを歩けば落ちているだろうか


どこを探しても歩いても 何をしても
何も見つからなくて


とりあえず自分の中に溜め込んでみたけれど
そうするうちに白かったはずの私の服は灰色に染まっていった

どうしてかな


そんなこと 思う間もなくもやもやは溢れてくる
もやもやは厚い厚い壁のように私の中で重なった
私の服は灰色から黒に変わっていく


もう これ以上は入らないよ


そう思った瞬間に涙が溢れ出た
その涙が何故か灰色に見えて
でも もやもやで押し潰されそうだったココロが少しだけ軽くなった気がした




涙でココロが軽くなった時 私の服は白に近付き始めた



でもね 気付いたの


白くなった服はまた黒に近づいていく
黒くなった服は涙を流すたびに白くなっていく


弱い私は この服みたいに色を変えながら


いつかは真っ黒になっていくんだと






(真っ黒な「歪み」はきっと真っ白には戻せない)


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