君の声が聴きたくて
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FFI決勝前夜。

僕は宿舎を抜け出した。


宿舎から少し離れたところでポケットに入れていた携帯を取り出した。

携帯を開いて早速なまえちゃんに電話をかけた。

宿舎を出て電話をかけた理由は単純に基山君にバレると面倒だから。

バレたときにからかわれるのが目に見えている。

携帯を耳に当てて聞こえてきたコール音に多少の緊張を覚えた。

『もしもし?』

携帯からなまえちゃんの声が聞こえてきた。

「なまえちゃん?」

『ふ、吹雪くん?ど…どうしたの?明日、決勝じゃ…』

明らかに戸惑っているなまえちゃん。

そんなところも可愛いと思ってしまう自分はかなりの重症らしい。

「うん、そうなんだけどね。急になまえちゃんの声が聞きたくなっちゃって」

僕がそう言うとしばらくの沈黙が出来た。

『…あたしは吹雪くんに逢いたい…って思ってた…よ?』

びっくりしているのか、と思った矢先に聞こえてきた言葉に僕がびっくりしてしまった。

「…うん、僕も逢いたいって思ってたよ」

『…でも、もうすぐ逢えるよね?』

「うん、日本に帰ったら一番に逢いに行くよ」

『じゃぁ空港で待ってようかな。その方が早く逢えるもん』

その言葉が今の僕にはすごく嬉しく感じた。

できるなら今すぐ日本に帰ってなまえちゃんを抱き締めたかった。

「ありがとう、なまえちゃん大好きだよ♪」

その衝動を抑えて伝えきれないほどの想いを言葉にする。


『あたしも大好きだよ。明日の試合頑張ってね、応援してるから。』

「うん、ありがとう。…そろそろ、切るね?」

『あっ、うん…明日頑張ってね。おやすみなさい』

「うん、ありがとう。おやすみ」


静かに別れを告げると同時にちゅっ、と小さなリップ音を残して電話を切った。


そして、ポケットに再び携帯を突っ込んで宿舎へと歩き出した。








♪オマケ♪

―――翌日
(あ、おはよう吹雪君。昨日の夜どこ行ってたの?
吹雪君が外に出てるの窓から見かけたんだけど…)
(!!…おはよう、基山君。ちょっと寝付けなくて…)
((基山君…千里眼でも持ってるのかな…?))






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…はい、とりあえずすみません。
これは甘いんでしょうか…?
しかも結構時間かけたくせにこんな駄文…。
ていうか、吹雪くんってこんなでしたっけ…?
黒慧様、こんな駄文でよければお持ち帰りください。
修正等はいつでも受け付けます!
遠慮なくどうぞ!

これからもよろしくお願いします!


紅恋





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