さっき、久しぶりに家に帰ってきた姉からの差し入れの紅茶を飲んだ。それから、すぐに身体に違和感を感じ始める。

姉の口から聞かされた事実。曰く、あれは媚薬入りの紅茶だということ。

琥太郎は先ほどから熱く疼く身体に舌打ちしたい気持ちを抑えながら目の前にいる姉を睨んだ。

「姉さん…貴女という人は…!!」

「そんなに怒らないでちょうだい。私は貴方のためを思ってしたのよ?」

何が俺の為だ…!?今にも悪態つきそうになるが、姉以外の存在がいるので、グッと堪えた。なぜ、ここにクラスメイトの名無夜がいるのか。

「じゃあ、無子ちゃん。琥太郎のこと、お願いね?」

『あ、…はい。わかりました……』

「琥太郎。しっかりしなさいよ?」

睨みつけていた琥春の姿が部屋から消えた瞬間、グラリと傾く身体。気付いた時には小さな存在に支えられていた。

『星月くん、大丈夫…?』

「ああ…それより、どうしてお前がここに…?」

『琥春さんは私の母と仲良しなの。だから、小さい頃からよく面倒を見てもらってたから…』

つまりは知り合いということなのだろう。媚薬のせいで回らない頭でそんなことを考える。

こいつがこの場にいる理由はなんとなくわかる。要するにこいつに相手してもらえということなのだ。

本当に何を考えているんだ…!?あの人は…

目の前で佇む小さな存在に琥太郎は何か声をかけようとするが、中々上手い言い回しが見つからない。

そんな彼を見かねてか無子が口を開いた。

『あの、ね…義務とか琥春さんに頼まれたとからじゃなくて、私がしたいからじゃ、だめ…?』

黒目がちの潤んだ瞳に見つめられて琥太郎の鼓動は大きく跳ね上がった。確かに最初は姉の策略によるものだったかもしれない。けれど、薬の効果も手伝ってか琥太郎は普段のめったにさらすことのない心情を彼女の前でだしてみようという気になった。

それと共に前から自分の目の前にいる少女に抱いている想い……。

「本当に、いいのか…?」

『星月くんじゃなきゃ、私はこんなことしない、よ……』

今にも消え入りそうな声でそう零して赤くなって俯く名無夜。その華奢な肢体を思いきり抱き寄せた。

間近で感じる彼女の柔らかな身体とかすかに甘いにおいにますます琥太郎の身体に集まる熱が増した。

たまらなくなって、彼女の唇に自分のソレを重ねる。少しして離すと、2人の間で繋がっていた銀の糸がプツリと切れる。

すると今度は彼女の方から唇を重ねてくる。少し唇を開けてやると咥内に滑り込んでくる小さな舌が拙い動きで蹂躙する。

今の琥太郎にとってはそれさえも身体に響く快感となる。胸に添えられていた小さな手に弱く力が加わり、胸を押されて琥太郎はちょうど後ろにあったベッドに倒れこむ。

それと共に彼の上に跨る。少し顔を赤くしながらも自分が着ていた衣服を脱いでいく。そして下着まで取り去った彼女の姿に琥太郎は目を離すという選択肢はなかった。

華奢だとは思っていたが、全体的に白く細い。しかし、柔らかそうな胸のふくらみやなだらかな肩に手触りのよさそうな肌にどうしても釘付けになってしまう。

琥太郎の視線に気づくと頬を赤く染めてあんまり見ないでと目を背ける。その姿にさえ欲情している自分に内心、苦笑する。

名無夜の細腰に腕を回して上体を起こそうとしたが慌てて止められる。首をかしげる琥太郎に衝撃の一言。

『今回は、私が、するの…。は、初めてだから、下手だと思うけど…』

だから、おとなしくしていて?と愛らしく染まった顔でお願いされたら、否と言えるはずがない。降参して目を閉じた琥太郎にふってくる柔らかな感触。

首筋に這わされる柔らかな唇。最初は軽く、そして次に強く琥太郎の肌に吸いつく。それが何度か繰り返され、離したところには少し歪な赤い痕。

その痕を辿って彼女の白く細い手がツウッ…と身体を下降していき、下腹部へと伸ばされる。

ピクッと琥太郎の身体が跳ねるのを見るが、無子は上半身を起こした琥太郎の足元にしゃがみ込み、ゆっくりとした動きでズボンと下着を脱がしていく。

そして、目の前に現れたソレに彼女は少し頬を赤く染めながらまじまじと見つめた。その行為に自身の身体がさらに熱くなるのを感じる。

「あんまり、そんなに見ないでくれないか。少し…恥ずかしい」

『あ、ごめんなさい。でも、男の人ってこんな感じになるんだね…』

「お前な…」

『ふふ、星月くん可愛い…』

その言葉に反論しようとしたが、次にきた感覚に阻止される。彼女の手が艶めかしい動きで琥太郎の膨張した自身に触れたからだ。

最初は少し控え目に、そしてたどたどしくも拙い動きでなぞるように触れてくる。そんな動きに自身に血液が集まってくるのを感じながら、荒い息を吐いた。

「んっ、…」

そして彼女は愛らしい顔を近づけると、そのまま小さな口に自身を含んだ。まさか、そこまでされるとは思っていなかった琥太郎は慌てた。

「お、おい…!?」

『んぅ……』

涙の溜まった目で上目づかいに見られる。その眼差しはいいから大人しくしていてと言っているようで…

柔らかで温かな咥内に咥えられるだけでも十分な快感だというのに、そこに少しざらついた舌で形をなぞるそうに愛撫されれば、易く背筋にゾクゾクとした痺れが走る。

「はあっ、無子…」

瞳を閉ざして息を荒くしつつも、快感に耐えるように無子の頭を無意識に押さえつけている琥太郎。そんな彼を見て無子は愛撫をさらに進める。

目を瞑り頬を赤くしつつも一生懸命に口と手で奉仕する彼女の姿に煽られる。

「くっ、…無子…んっ!…」

『んんっ!?』

小さな呻き声と共に無子の咥内に放たれる体液。驚いたが、とりあえず頭を押さえられて離すわけにはいかないので、少しずつ飲み込む。

咥内に広がる苦みのある味に少し顔をしかめつつもゆっくりと口を離した。

「…はあ、悪い。初めてなのに、こんなことさせて…」

『ん、精液ってこんな味がするんだ…ちょっと、新鮮かも…』

そういって笑う彼女の口の端についた白い液体を指で拭う。だが、そう穏やかな空気は長続きしない。なんせ、琥太郎が飲まされた媚薬の効果はまだ切れてはいないのだ。

今、欲を吐きだしたはずなのに、また、自身に集まる熱に琥太郎は秀麗な顔を歪める。無子もそれを見て顔を赤くして少しおろおろしている。

そして、意を決して再び手を伸ばしたが、届く前に別の手が阻み、逆に腕を引っ張られる感覚。驚いてみると息を荒げながらもこちらを真っすぐに見つめる琥太郎の視線。

「っ、悪い。もう、限界だ……」

『ほ、星月くん……』

「お前のナカに、挿れていいか……?」

それはつまり、琥太郎と繋がるというわけで…自覚した途端、カアッと熱を持つ顔。予測していなかったわけじゃないけれど、やはり羞恥心があるのだ。

こくりと小さく頷いた彼女を抱きあげて性急な動きでベッドに押し倒す。真っ赤な顔を隠そうと腕をかざすが、それを解いて、頭上にひとまとめにして片手で拘束する。

「隠すな。お前の可愛い顔が俺は見たいんだ…」

涙目になりつつも口をきゅっと結ぶそのいじらしい姿に胸が高鳴る。彼女の口を自身のソレで塞ぎつつも手は愛撫をやめない。

柔らかな胸は掌から零れおちそうなくらい感触がいい。先端を摘まんだり、舌で転がしたりすると漏れる可愛い声。

『ひゃあっ、ん…』

その声を楽しみつつも、彼女の隠された場所に手を進める。そこに指を滑らすと…少しの潤いを感じる。どうやら、先ほどの奉仕で感じてくれたようだ。

くすりと小さく笑いつつもツプリと指をナカへ進める。初めてだからか少し狭いがそれは仕方ないだろう。

『ひぅっん…そこ、やあっ…』

「そうか?でも、こうしなけりゃ、お前と繋がれないからな。」

恥ずかしがる彼女を宥めすかしながらも指の動きは止めないで本数を増やしていく。自分だって、もういっぱいいっぱいなのだから…

ある程度、解して指を抜くと昂った自身を秘部に擦りつける。その感触にビクリと華奢な身体が小さく反応する。

「本当に悪い。多分、痛いと思う…」

『ん、星月くんにならいい。だから…ちょうだい…?』

「いくぞ……」

『んんっ、あ、いた…っや、』

彼女の細い足を腕にかけてゆっくりと自身をナカに進める。予想していたよりもずっとキツくて奥まで入るのは少し難しそうだ。

無子の気を紛らわそうと少し上にある可愛い芽を指で弄ってやると途端に腰が浮いたので、それを利用して一気に奥まで押し込む。

『やあんっ、はぅ…んっ、あ、』

彼女が落ち着くまで待ってやりたいが、今にも欲望がはち切れそうで…内心で申し訳なく思いつつも律動を開始する。

ナカの温かで絡みつくような動きに琥太郎は持っていかれそうになりながらもなんとか堪える。

『や、ほし、づきくぅん…もっと、あんっ、ゆっくり…』

「はあっ、すまん…無理だ…んっ」

彼女の足を肩にかけるともっと奥までと腰を激しく打ち付ける。それに合わせてぎゅっとシーツを掴む手を絡め取る。するとぎゅっと握り返された。

そうこうしているうちにナカのが収縮して締め付けがキツくなる。自分もあまり持たないとわかりつつもラストスパートといわんばかりに動きを激しくした。

『や、ほんと、もう、だめぇっ…!』

「ああ、俺もだっ…ほら、…っ!」

『ひ、やあ、ああっ…―っ!!』

搾り取るかのような動きに堪らず、琥太郎はナカに欲望を吐きだした。


――どうやら媚薬の効果も切れたようで落ち着いた琥太郎は今、自身の腕枕でスヤスヤと寝息を立てる無子の顔を見つめる。目元に残る涙の跡に自分が泣かせてしまったという罪悪感と共に征服欲が湧いてくる。

これでようやく無子を自分のものにできたのだと。まあ、姉の策略による不本意なものではあったが。

「姉さんには一応感謝しておくか…」

ん…と微かな声を出しながらも胸元にすり寄る彼女の身体を抱きしめて琥太郎もまどろみ始める。

(起きたら、こいつにちゃんと自分の気持ちを言わないとな……)








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