結局、今年の関東大会も立海の優勝で幕を閉じた。14年間関東で無敗を誇る(今年で15年間無敗になった)王者の名は、やはり伊達ではない。 決勝で立海とあたった氷帝も、その氷帝とほぼ互角の試合をしていた青学も、決して弱かった訳ではなかった。 ただ、立海が圧倒的に強すぎた。 ただただ、それだけのことなんだ。 「どうや、蔵ノ介。関東大会は楽しかったか?」 「おん、楽しかったで」 あの後無事に合流出来た私たち四人は、新幹線で大阪への帰路に就いていた。 私の隣には友香里ちゃん、お父さんの隣にはお母さんがそれぞれ座っているのだが、今日1日中東京観光をして疲れたようで、二人ともぐっすりと眠っている。 そのため、二人を起こさないように私たちは小声で会話を行っていた。 「その顔を見ると、少しは東京まで来た成果があったみたいやな?」 「色々気付かされたこともあったしな。良い勉強になったわ」 それに、これから私たちが目指すべき目標も見つかったしね。 今回の大会を見て、私は自分の実力不足というものを痛感した。 確かに私は彼らと戦ってみたいとは思ったが、もし今彼らと戦って勝てるのかと言えば、答えはもちろんノーだ。 しかし、それは私だけの話でなく、四天宝寺のメンバー全員に共通して言えることでもある。それに、仮にも私は部長であるのだから、その辺りの目測を誤ったりはしないだろう。 つまり、我々四天宝寺中の当面の目標は、今年の関西大会及び全国大会に向けての戦力強化だ。 そうと決まったら、早速すぐに新しい練習メニューを考えて、皆にやって貰わなくちゃね。 「帰ったら忙しゅうなるなぁ……」 私が一人そう呟いた頃には、窓から見える夕日はすっかり沈みきっており、さっきまで起きてたお父さんも静かな寝息を立てて寝ていた。 さぁて、大阪までの道のりはまだ長いし、私も一寝入りしようかな。 (帰り道と私の決意) |