「もーいーくつねーるーとー♪くーりーすーまーすー♪」


「クーちゃんそれクリスマスちゃう、正月や」



そんな細かいことはノープロブレムだ、妹よ。










という訳で。
どうも!なんちゃって白石こと、菅野悠です!
……あ、久々に昔の名前名乗った気がするわ。





とまぁ、そんなことはさておき。

今日は来るクリスマスに備えて、ツリーに飾り付けしている真っ最中だ。
ちなみに先程関西人らしい素晴らしいツッコミをしてくれたのが、私の自慢の妹友香里ちゃん。まだ小五なのに、私なんかよりずっとしっかりしてるんだよ?凄いよね?



「クーちゃんクーちゃん、次はこれ飾り付けてぇや!」


「おん、待っときや!」



いやぁ、そんなに可愛く言われちゃったらお兄ちゃんはりきっちゃうぞーっ♪なんて考えてしまう私は、もう既に手遅れなんだと思う。主にシスコン的な意味で。


……だって仕方ないじゃん!前世は末っ子だったんだもん!
初妹なんだからそりゃ可愛いわ!







「なぁ、クーちゃんは今年のクリスマスはサンタさんに何お願いするん?」


「んー、せやなぁ……」



いやー、リアルなとこでいくと新しいシューズとラケットが欲しいんだよねー。シューズは既に靴底に穴空いてるし、ラケットは別に壊れてる訳じゃないんだけど、手持ちが一本しかないからもし何かあった時(ガットが破れたりとかフレームが折れたりとか)のための換えがないのが少し不安。
しっかし、どちらにしても子どもらしくはないよなー。うーん、どうしようか……。





「……クーちゃん?」

「……へ、あぁ!プレゼントやなプレゼント!
まだ俺は決まってへんのや、すまんなぁ。友香里はどないや?」


「えっとな、ウチは『慰謝料』を貰うんや!」





…………慰謝料?





「……ちょい待ち、そんな言葉何処で覚えて来たん?」


「最近よぉテレビで言っとるよ!奥さんが旦那さんから貰うお金のことやろ?」



あながち間違っていないところが少し怖いよ。
つーか、私の友香里ちゃんに妙に中途半端な知識を植え付けるなんて。テレビ許すまじ。





「……ん?つまり、友香里は金が欲しいっちゅーことか?」


「ちゃうちゃう!お金を運んで来てくれる彼氏が欲しいんや!」



もっと黒かったぁぁぁぁっ!!何これ私の可愛い友香里ちゃんがどんどん黒くなっていってるんですけどどういうこと!?このままじゃマイエンジェルどころかキングデビルに一直線だよ!

ていうか、こんなん聞いた後だったら私の欲しいものなんて全然子どもらしいじゃん。まだ一応プレゼントの範疇だしさ。
うん、決めた。素直にシューズ欲しいってねだろう。そうしよう。





「クーちゃんどないしたん?」


「ん?あぁ、俺もプレゼント決めたで」


「え、なになに?」


「んー、秘密や」


「ええ〜っ」




流石にあんな会話の後に挟む勇気はないしね。まぁここは当日までの秘密ってことで、一つよろしく頼むよ。






PS:クリスマス当日はちゃんと希望通りのシューズが枕元に置いてありました。




(友香里ちゃんの枕元は怖くて直視出来ませんでした)

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