本格的な練習をやるようになってから数十日が経った。
ついでに言うと、いよいよ地区大会が一週間後に控えている。


そんな中、私たち初心者組はいまだ素振りの域は脱していない。それでも、ラケットに触れられるってだけで十分楽しい。ちなみに、今日からはサーブの練習も始めるんだって。


いよいよボールも打てるんだって思ったら、一段とわくわくして来た。





なんて、そんな妄想を脳内でニヤニヤ考えてたら。


「白石!何をボーッとしてんのや。はよ球拾いに行かんかい!」



監督の怒鳴り声にハッとして周りを見渡せば、すでに誰もいない。
いつの間にか素振りの時間は終わっていたらしく、次の球拾いの時間に入ってたみたいだ。



つーか、誰か教えてくれてもいいじゃん…。

まぁ、みんな自分のことだけで手一杯でそんな余裕は無いんだろうけど。そのせいなのかは知らないけれど、私たち初心者組の雰囲気は未だに悪い。







そんな私たちとは裏腹に、経験者組はいつも和気あいあいとしている。


今も先輩たちに混じってレシーブ練習してるけど、アドバイスしあったりもしてお互いを高めてる感じだ。







あ。

経験者組と言えば、最近一つ気になってることがある。

なんというか、ここのところやけに経験者組の方から視線を感じる気がするんだよね。
最初は初心者組の練習でも見てるのかなと思ってたけど、色々試してみた結果、視線はどうやら私にだけ向かっているみたいだ。しかも視線は一つだけじゃなく、複数。


別に、目をつけられるようなことは何もしてないと思うんだけどなぁ。



あ、でも監督にはしょっちゅう怒られてるかも。
しかし、みんな似たり寄ったりなことしてる中で、私だけピンポイントに叱るのは、正直心が折れるからご遠慮したいかな。



……て、こんなこと考えてボーッっとしてたら、また怒られる。

さぁて、集中してボール拾いしよう。



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