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おれいゼロス夢「こいびときどり」

「あ。いたい。」

ひとさしゆびから、真っ赤な水滴がぷっくとふくれる。

「どうしました?」
「葉っぱで切っちゃったみたい。」
「おや。みせてください。」

そうってゼロスは、わたしの手をやさしくとり、
傷ついたひとさしゆびをそっと口に含んだ。


人なつこい猫のようにぺろりと、わたしの血液を舐めあげる。


「…なにしてるの?」

「舐めると治るっていうでしょう?」

「つかぬことをお伺いしますが…あなたの唾液に消毒効果は含まれているのですか?」

「やだなあ、僕は魔族ですよ?そんなもの含まれてるわけないじゃあないですか。」

「…じゃあ、する意味ないんじゃあない?」

「雰囲気ですよ、雰囲気。よく恋人同士がこうしてるのみるでしょう?
僕もやってみたくなっちゃ……あ、やだなあ、目が怖いですよ?」

「ラグナ・ブレードとラ・ティルトどっちがいい?」


ちょ…ちょっと恋人同士っぽくしてみたかっただけですよお!!

とひきつった笑いを残して、彼は姿をけした。



ゼロスに触れられた手があつい。

「(でも、別に…なんか…やじゃなかった……。)」

このどきどきをどうしてくれるんだ。
あの性悪魔族め。


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