ぬらりひょんの孫 | ナノ


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「ただいまー」

「ただいま」






学校帰りのリクオと彼を迎えに行った紅葉が揃って屋敷の門を潜ると庭先に出ていたであろうぬらりひょんが歩み寄ってきた。






「やっと帰ったかリクオ!!お前まーた学校なんぞに行っとったんか!」

「帰って一言目がそれ……?」

「……当たり前でしょ?中学生なんだから。」






きょとんと不思議そうにリクオがぬらりひょんを見つめるとジリジリと詰め寄りながらぬらりひょんは口を開いた。






「あのなぁ……お前はワシの孫。
妖怪一家を継ぎ、悪の限りをつくす男にならんかー!!」

「断る」






噴火の如く言い募ったぬらりひょんを冷たく一蹴し(余談だが紅葉はリクオの切り返しの早さに吹き出して笑っていた)リクオと紅葉は家の中に入った。






「あ、若と紅葉様。おかえりなさいましー」

「ん?」






納豆小僧を始めとする小妖怪達が菓子と書かれた箱を囲んで勢い良く食べているのを見つけたリクオは少し青ざめた。






「…………何その高級菓子」

「え?」

「じーちゃん!?まさかまたどっかから盗んだの!?
悪行はほどほどにって言ってるじゃないか!!」






ぬらりひょんに掴みかかって怒鳴るリクオの横でお菓子の箱を拾った紅葉は“あら?”と首を傾げた。






「人間に迷惑かけたら、僕が白い目で見られるんだからね!」

「若、これ初代じゃないわ。」

「え?」

「違いますよリクオ様……おみやげですよ。

久々に……鴆一派の鴆様が来てらっしゃるんですよ。」

「え……」











カコーン……と鹿威しの音が聞こえる部屋を開けたリクオは紅葉を伴って入室した。






「若!紅葉様!
お久しゅうございます!鴆でございます!」

「鴆久しぶり〜」

「ぜ……鴆さん!!お、お久し振り!」

「はっはっは、“鴆さん”など……鴆でいいのに!」






ワハハハ、と笑いながら出迎えた鴆の向かいに座ったリクオはひきつった笑みを浮かべた。


リクオの隣に座った紅葉はその表情に内心苦笑する。






「(何しに来たのだろう……)」

「(あの顔は何しに来た、って言いたげね)」






リクオに一緒に会って欲しいと言われてついてきたのだが余程鴆が苦手らしい。






「(昔は仲良く遊んでたんだけどねぇ……若が人間になるって言い始めてからは顔合わせづらくなったんでしょうけど……)」










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